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映画『ザ・リング/リバース』公開記念インタビュー

作家・鈴木光司と貞子は背中合わせの関係だった!! 原作者が語る『リング』が生まれた原風景とは?

──小学校時代の体験が、作家・鈴木光司としての原点であり、『リング』誕生の原風景にもなったといえそうですね?

鈴木 そうですね。確かに、そういう部分はあるかもしれませんね。

──いじめって、どんなに時代を経てもなくなりません。

鈴木 いじめがなくなることはないでしょうね。昔は単純に貧富の差や容姿の違いから起きていたものだったと思いますが、今はいじめの構造が変わってきています。娘たちが通っていた学校でもいじめ問題があったので、ずっと考えていた時期があったんです。いじめの原因がどこにあるかは明白です。家族の問題なんです。いじられる側もいじめる側も、どちらも家庭に問題があることがほとんどで、家庭の崩壊がいじめの原因に繋がっている。いじめは子どもが学校に入学する前から根が張っている深い問題です。それが学校に上がって、ひとクラス30~40人が同じ輪になったときに、いろんな問題が顕在化してくる。いじめる側といじめられる側の立場が、逆転することもありえます。学校の先生が「いじめはダメ」と押さえつけても効果はありません。人間パワースポットみたいな根っから明るい子をうまく輪の中に配置することで、クラスの雰囲気は変わってきます。子どもたちからのボトムアップが重要です。先生がそのことをうまく理解して、子どもたちを配置できればいいんですが、今の先生たちは多忙すぎて、なかなか手が回らないというのが現状でしょう。

──いろんな状況を、作家として論理的に見つめているんですね。『リング』誕生から四半世紀が経ちますが、鈴木さんが感じる“恐怖”に変化はありますか?

鈴木 僕がいちばん怖いのは、やはり愛する家族を失うということ。そういう点では、恐怖の対象は変わっていないように思います。物理的に怖いのは、僕はヨットでよく航海するんですが、夜間に台風に遭遇したときですね。あらがいようのない大自然の怖さは、オカルトどころではないです。ヨットで航海しているときは、船の性能や自分の航海技術や能力で乗り切るしかない。小説や映画の世界で描かれる妄想の怖さは、またそれとは別物でしょうね。妄想は実態がないから、対処のしようがありませんから。『ザ・リング/リバース』で描かれた恐怖は、僕の原作にとても近い。その分、すごく怖いですよ。
(取材・文=長野辰次)

『ザ・リング/リバース』
原作/鈴木光司、映画『リング』
監督/F・ハビエル・グティエレス 脚本/デヴィッド・ルーカ、ヤコブ・アーロン・エステス、アキヴァ・ゴールズマン
出演/マチルダ・ルッツ、アレックス・ロー、ジョニー・ガレッキ、ヴィンセント・ドノフリオ
配給/KADOKAWA 1月26日(金)より全国ロードショー
C)2017 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
http://thering-movie.jp/

●鈴木光司(すずき・こうじ)
1957年静岡県生まれ。慶應大学文学部卒業後、90年に日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞した『楽園』(新潮社)で小説家デビュー。91年に発表した『リング』(角川書店)は横溝正史賞最終選考に残り、ベストセラーに。その続編『らせん』(角川書店)は吉川英治文学新人賞を受賞。『リング』『らせん』は98年に同時映画化され、Jホラーブームを巻き起こした。『リング』はハリウッドで『ザ・リング』として2002年にリメイクされるなど、世界的な人気シリーズとなった。映画原作となった作品に『仄暗い水の底から』『バースデイ』『エス』(いずれも角川書店)などがある。

 

最終更新:2018/01/25 14:00
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