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志村けんブレークの陰に……ボーヤ時代に起こした失踪事件と、「まったくウケない」下積み時代

■黒人音楽のマニア・志村けん

 その後、メンバーの荒井注が休業という名目で74年にドリフを脱退。前述の通り、志村は正式メンバーに昇格する。

 それにしても、なぜ志村が選ばれたのだろう? 志村よりも先に舞台デビューし、ブルース・リーのモノマネで人気を博していたすわしんじを昇格させるほうが順当だった感は否めない。この時の経緯について、4月14日放送『たけしが行く!わがままオヤジ旅3』(テレビ東京系)にゲスト出演した加藤茶が回顧している。

「長さんがね、荒井さんと同じ年の奴を入れようと思っていたのよ。ベテランを。で、1人候補がいたの。バンドリーダーでフルバンドの指揮やってる人で、豊岡豊って人がいたのよ」

「『長さん、待ってくれ』と。一緒に回ってて、作り方も全部知ってるし、考え方も同じ奴って言ったら志村しかいないんです。『志村入れようよ』って言ったのは、俺なの」

「自分もだんだんキツくなってきたから。志村が入ってくれることで、広がりができるじゃない。あの時はしんどくて、ネタもあんまり出なくなってきてたし。志村は俺と年中ふざけ合ってたから『こいつ、面白いかもしれない』って入れたら、案の定、ああやってブレークして」

 こうして、正式メンバーになった志村。しかし、舞台上でどんなに頑張っても、客にまったくウケない期間が続いてしまう。志村の兄(次男)・美佐男さんが当時を振り返った。

「今風に言えばブーイングですよね。『なんだ、引っ込め』みたいな。だから、最初の2~3年はつらかった時期もありましたよね。笑いが止まっちゃうんですから」

 弟弟子のすわしんじも証言している。

「ほとんど人には言わないんだけど、かなり悩んでましたね。そんなにウケないはずはないと思ってたはずですよね。荒井さんのキャラクターが強かったですから、見るほうはやっぱり荒井さんの姿を重ねたりしますからね。志村さんの笑いを定着させるには時間がかかったんじゃないですか。もがけばもがくほど、どこか深みにはまっていきますから」

 転機は76年に訪れた。「笑芸人」VOL.1の文章を、再び引用しよう。

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