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原作&アニメ版とは別人のすずだが、これはあり!? 戦艦大和の入港に歓喜『この世界の片隅に』第2話

■機会あれば観ておきたい片渕監督の『マイマイ新子』

 周作とすずのラブラブな様子に続いて、第2話のエンディングは賛否両論を呼んでいる現代編に。周作とすずが夫婦愛を確かめ合った丘で、榮倉奈々と古舘佑太郎が並んで同じ景観を眺めています。榮倉演じる佳代は、無人化してしまった北條家を最近流行の古民家カフェか民宿にしたいと言い出します。思い付きで行動するタイプの佳代は、都会では自分の居場所を見つけることができずに悩んでいるようです。『この世界の片隅に』は絵を描くこと以外に何の取り柄もない平凡な女の子だったすずさんが、厳しい時代を懸命に生き、ようやく自分の居場所を手に入れる物語です。連ドラ版は現代を生きる佳代の居場所さがしの物語を、すずの成長譚と重ね合わせながら同時進行していくことになりそうです。

 73~74年前の物語ではなく、現代とリンクするドラマにしたいというTBS側の思惑は分からないではありませんが、戦時中の北條家やそのご近所、広島の街並みが大規模なオープンセットによってリアルに再現されているのに比べると、現代パートは逆に薄っぺらい印象を与えてしまうのが心配です。でも、脚本家の岡田惠和は『いま、会いにゆきます』(04)といったファンタジーものも得意としているので、片渕監督の前作『マイマイ新子と千年の魔法』(09)のように過去と現代がイマジネーションの世界でシンクロするミラクルな展開が待っていることに期待しましょう。

 舞台となっている広島では初回の視聴率が20.4%だったそうですが、第2話の視聴率が気になるところです。関東地区の第2話の視聴率は10.5%(ビデオリサーチ調べ)。まだ実績のない新人女優の初主演ドラマとしては、前週の10.9%に続いての2ケタキープは及第点を上げていいでしょう。第1~2話は顔見せだけだった遊女・白木リン(二階堂ふみ)と周作の関係が次週では明かされ、また劇場アニメ版でもざわめきが起きた巡洋艦青葉に乗る水原哲(村上虹郎)が入湯上陸で北條家を訪ねるエピソードも描かれるようです。大人の色恋沙汰に赤面するすずさんを、しっかりと見守りたいと思います。
(文=長野辰次)

最終更新:2018/07/23 20:00
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