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『君が心をくれたから』第3話 斎藤工の相棒の女性が挙動不審すぎる件

第3話 初恋の想い出 | TVer

 22日に放送されました『君が心をくれたから』(フジテレビ系)の第3話。あいかわらず永野芽郁さんは麗しいです。

 さて、主人公の雨ちゃん(永野)は太陽くん(山田裕貴)の命と引き換えに、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感を奪われることになりました。太陽くんが車にひかれた現場に現れた死神みたいな奴がそういう提案をして、雨ちゃんが受け入れたからです。

 さっそく前回は味覚が奪われ、パティシエになるという雨ちゃんの夢が打ち砕かれることに。お次は嗅覚を奪われることになりました。

「次に奪われるのは、嗅覚です」

 味覚を奪われて意気消沈している雨ちゃんの前に、死神・日下(斎藤工)が現れて、そう告げます。

 いやーあのねえ、よくないよ。「奪われるのは」じゃないんだよ。奪うんでしょ、あんたが。この物語は主人公が五感を失っていくという悲劇であって、雨ちゃんという女の子に負荷をかけることによって見る人の感情を揺り動かそうとするドラマです。負荷をかける主は、もちろん死神だ。

 気に食わないのは、この死神が「なぜ雨ちゃんの五感を奪うか」については、別に不明でもいいんです。わけのわからない奴が出てきて、あなたの五感を奪うという。なんだかわからないけど、とにかく太陽くんの命を助けたいという一心で、それを受け入れる。倫理的には問題あると思うけど、辻褄が合ってないわけじゃない。だけど、それを背負えよ、と思うわけです。背負えよ、泥棒の顔をしろよ。

「奪われるのは、嗅覚です」

 この死神は、なんで他人事なの? 受け入れたのは雨ちゃんであって、自分は関係ないって言いたいの? 少なくとも、「この男を殺すのか」という状況で、拒否できない提案をしたのはあなたの意思でしょう。他人事にするなよ。

 これどういうことかというと、このドラマは一連の五感喪失について「過酷な奇跡」と表現しているわけですが、主人公に負荷をかけることに対する作り手の覚悟が決まってないということなんです。作り手側が、雨ちゃんの痛みを背負う覚悟がない。覚悟がないから「次に私が奪うのは、あなたの嗅覚です」と言えないんです。

■味覚ないんだよね

 さらに恐るべきことに、ドラマは前回、雨ちゃんから味覚を奪ったことも忘れてしまったようです。味覚を失ったら人がどうなるのか、考えることを放棄してる。雨ちゃんは、次に嗅覚を失う、そのうち五感を失う、と未来の心配ばかりしていて、おひたしの味がしないことにはダメージを受けている様子がない。「食欲がない」で自己解決している。

 味覚を奪った、という事の重大性を作り手が感じていないから、雨ちゃんにもその悲劇を簡単に飲み込ませてオッケーだと思ってる。「味覚がない=パティシエになれない」という一面的な計算式だけで雨ちゃんの感情を処理している。

 それで今回は「嗅覚です」ということになって、嗅覚に関するウンチクを書き連ねて、また雨ちゃんを追い込んでいく。次回、雨ちゃんは実際に嗅覚を失うんでしょう。そしてまた泣かせるんでしょう。それがやりたいだけなんだもんね。

■あと、おまえはどういう立場でモノを言ってるの?

 死神の付き人みたいな女性なんですが、この人も「奪う側」の一派なわけですが、これをあたかも雨ちゃんのよき理解者みたいな人物として描くのも、意味がわからない。

 前回の初登場時から、なんで普通に会話してるのよ、という違和感はありましたが、今回に至ってはいよいよ雨ちゃんを励ましたりし始めてる。涙ぐんで「人生には思い出が必要なの」とか言い出してる。いやいや、おまえたちのせいだろって。どういう気持ちで死神の横に立ってきたの、今まで。

 そう思ってたら、仕舞いには死神に対して「探します、あの子が幸せになれる道を、彼女と一緒に」とか言い出した。

 よく知りませんけど、あなたたち今回が初めてじゃないよねえ、こういうことするの。常習犯でしょう。死神とか、たぶん悠久の時を過ごしているんでしょう。初犯という設定ならそれこそ笑止ですし、常習なら今回の雨ちゃんにだけ感情移入する理由がない。

 要するに、キャラクターにドラマ以前の物語が設定されていないんです。思い付きで、そのままやっちゃってる。何度でも言うけど、そういう作り手として最低限考えなきゃいけない設定や、持たなきゃいけない覚悟というものを端から放棄してる。

 第1話でも思ったんですよ。太陽くんが事故に遭った理由を、色覚障害で赤信号を緑と見間違えたからという形で描いていたんです。太陽くん、信号機を見たのは初めてじゃないよね? ちょっと考えたら、そんな理由で登場人物を事故に遭わせちゃダメだと思い当たるところなんだけど、ドラマ以前の太陽くんの物語が設定されていないから、こういうことになる。太陽くんという人物の生きている時間が、現在と、高校時代の美しい場面しかない。作り手が登場人物を、連続する時間を生きる生活者だと思ってない。人間扱いしていない。だからこんな簡単に、安易にみんなを傷めつけることができる。

 めちゃくちゃお気楽に、泣かせるためだけに、自分の作ったキャラクターを傷めつけてる。愛がない。作り手に愛がないんだから、見てる側がそのキャラクターを愛せるわけがない。そういうもう、ものを作る大前提の哲学の部分から受け入れ難いんです。

 あと、雨ちゃんのお祖母ちゃんが太陽くんに「私はガンで死ぬから、私の雨ちゃんへの思いを引き継げ」と迫るところも超怖い。なんでも命と引き換えにしたがる神経が怖いんですよ。雨ちゃんには「太陽くんが死ぬから五感を奪わせろ」と迫り、太陽くんには「私が死ぬから雨ちゃんの面倒を見ろ」と迫る。NOと言わせない日本人。まあ、死神が日本人かどうか知りませんけど。

 月曜からこんなもの見せられて、令和のティーンはメンタル大丈夫なのかね。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

どらまっ子AKIちゃん

どらまっ子です。

最終更新:2024/01/31 12:11
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