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ドラマ評論家・成馬零一の「女優の花道」

NHKドラマとの相性の良さはバツグン! 『透明なゆりかご』清原果耶が朝ドラヒロインになる日

NHKドラマ10『透明なゆりかご』

 金曜夜10時から放送されている『透明なゆりかご』(NHK)が話題となっている。

 原作は、沖田×華の漫画『透明なゆりかご 産婦人科医院 看護師見習い日記』(講談社)。産婦人科を舞台にした作品で、作者が高校生の時に看護師見習いとして産婦人科で働いていた体験を元に描かれている。

 医療モノは人気のジャンルで、年々細分化している。出産という題材も『コウノドリ』(TBS系)を筆頭とする数々の作品で扱われているが、その中で本作が独特なのは、出産も中絶も、日常の一風景として均等に扱われていることだ。

 主人公の青田アオイ(清原果耶)は赴任してすぐに中絶手術の現場を目撃する。命のかけら(流産した胎児の遺体)を瓶につめて、業者のおじさんに渡した後、今度は出産の場面に立ち会うことになる。

 こういった作品だと、子どもが生まれるということを感動的に描きがちで、同時に母親を過剰に神格化してしまう。しかし、本作では、出産にも中絶にもさまざまな背景があるという点を丁寧に描くことを第一としており、その良し悪しは、視聴者の判断に預けているように見える。

 未成年の中絶や、性的虐待など、目を覆いたくなるような話も多く、見ていてやりきれない気持ちになることも多い。漫画版では、そういったハードなエピソードが簡略化された絵柄のユーモアによって中和され、うまくバランスがとられているのだが、逆にドラマ版では、きれいな映像と淡々とした音楽を用いたクールな演出が施されている。

 その意味でも、とてもストイックな作品で、視聴者に与える負荷が大きい。しかしそれでも、多くの人々が本作を支持しているのは、やはりNHKドラマに対する信頼もあるのだろう。脚本を担当しているのは『リッチマン、プアウーマン』や『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-3rd season』(ともにフジテレビ系)の安達奈緒子。トレンディドラマ風の華やかな作品の中で時々見え隠れするハードな人間観に、筆者は注目してきた。

 月9で書いている時は、それは良くも悪くもノイジーな違和感となっていたのだが、NHKドラマで執筆する際には、うまく溶け込み、強い武器となっている。これこそが本作の成功理由だろう。


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