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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.512

ポジティブ思考で非モテ系が超絶美女に大変身!? 幸せになる秘訣『アイ・フィール・プリティ!』

コメディエンヌとして大人気のエイミー・シューマーが主演した『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』。

 録音された自分の声を聞いて、愕然とした覚えはないだろうか。自分のことは自分がいちばん知っていると思いがちだが、自分自身を客観視して認識することは難しい。映画『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』の主人公レネーもそうだった。自分の容姿に自信が持てずにいたレネーだが、美容整形することもなく、誰もが振り返る超絶美女へと大変身を遂げる。一体、何が彼女を変えてしまったのだろうか。

 レネー・ベネット(エイミー・シューマー)は、ぽっちゃり体型の独身OL。オシャレには関しては敏感で高級コスメ会社に勤めているものの、本社ビルからずいぶん離れた雑居ビルの地下室でネットユーザーからのクレーム対応に追われている。彼氏はおらず、終業後は同じく非モテ系の女友達とくだを巻く日々だった。こんな冴えない生活から脱出してやると意気込んだレネーは、シェイプアップ目指してジム通いをスタート。ところがエアロバイクを懸命に漕いでいたレネーは、とんでもない事故に遭遇してしまう。

 エアロバイクから転倒して頭を強打したレネーは、鏡に映った自分を見てびっくり。なんと超絶プロポーションの美女に生まれ変わっているではないか。実はこれ、本人がそう思っているだけ。実際のレネーは以前とまるで変わっていない。ところが「私、すごい美女に変身しちゃったわ!」と思い込んだレネーは、それまでの消極的だった生き方を改めて、スーパーポジティブな人生を歩み始める。

 自分の容姿に自信満々なレネーは、本社ビルの受け付け係に立候補。モデル並みの美人社員ぞろいの本社ビルの中で、ぽっちゃり体型で、しかも全身からハッピーオーラをダダ漏れさせているレネーは瞬く間に注目の的になる。美しくなることに憧れる平凡な女の子の感覚を持ち合わせているレネーは、生まれつきセレブな美女たちにはないフレッシュなアイデアを次々と提案し、“美のカリスマ”として知られる社長のエイヴリ(ミシェル・ウィリアムズ)のお気に入りとなる。さらにはクリーニング店で偶然一緒になった草食系男子のイーサン(ロリー・スコヴェル)から口説かれたと勘違いし、一方的にデートの約束を決めてしまう。頭を打って以来、レネーの人生はバラ色だった。

「私は誰もが羨む絶世の美女」と思い込んでいるレネーは、恋も仕事もすべてにおいて絶好調だった。

 ジャド・アパドー監督の毒舌コメディ『エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方』(15)が大ヒットしたエイミー・シューマーが、本作でもぽっちゃり体型を活かしたチャーミングな女性像を演じている。最大の見せ場は、イーサンとレネーとのデートシーンだ。デート先のビアホールでは“ビキニコンテスト”が開かれており、レネーは飛び入りで参加することに。Tシャツをまくり上げたレネーはお腹のお肉をたぷたぷさせながら、ステージ狭しとセクシーダンスを踊りまくる。レネーの最高な弾けっぷりに、イーサンだけでなくホール中のみんなの目が釘付けになってしまう。

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