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熱血!”文化系”スポーツ部

実は“お茶目キャラ”!? 西野朗前サッカー日本代表監督との対談で見せた、岡田武史の名司会者ぶり

 W杯で2得点を挙げてヒーローになった乾貴士の話題になると、「あいつは天才だよね。(横浜F・マリノスの監督時代に)乾はどうしても欲しい、と獲ってもらったんです。で、俺が辞めちゃうというね」と、おそらく鉄板ネタにしているであろうトークを披露。田嶋会長からのビデオメッセージには、「会長、太ったねぇ。で、どうです?」と先輩西野さんへ雑なフリ。しかも、お菓子を食べながら。

 誤解されないよう付け加えておくと、これらの岡田氏の言動はどれも嫌みではなく、むしろ温かな空気感を生み出す、いいアクセントになっていた。そして、こういったボケの合間合間に、さりげなく名言や含蓄のある発言を挟み込んでくるから気が抜けない。

 たとえば、「世紀の大ばくち」とも称されたW杯ポーランド戦、最後の10分間の戦い方について。

「僕らの仕事はある意味、答えのないことを決断すること。ギャンブルと一緒なんです。ギャンブルは勝つか負けるかだけ。どちらが正しいか間違いかじゃない。でも、負けた人に限って『正しいかどうか』を言う。西野さんはあの場にいて、決めるのは直感。何かを感じて、結果、勝った。それがすべてだと思うんです」

「(日本のサッカーは)みんなでレンガを積んでいる。レンガをまっすぐに積むと絶対にどこかで倒れるから、誰かが横に積むんです。でも、横に積んだ人は評価されない。ただ、このレンガがないと絶対に上には積めないんだ。西野さんは上にも積んだけど、横にも積んだと思うんです。ポーランド戦の負け、というのはさらに上に積むための新たな土台にきっとなるはず。日本のサッカーは、そういう積み重ねがしっかり出ていると思いますよ。あの10分も、しっかりレンガを積んでいる」

 このわずか数分前に、「フェアプレイポイント、知ってたの?」とからかってみせた人物とは思えない“重み”と“将来への展望”を感じさせる解説は、番組にしっかりと品格をもたらしていた。

 このように、ボケで興味を引きつけたかと思えば、深慮遠謀を感じさせる言葉で議論に膨らみを持たせ、それを適度な間隔で繰り返すという名司会ぶり。南アフリカW杯前にテーマとして掲げた「接近・展開・連続」を思い出したのは偶然だろうか。

 昨年、JFA副会長の職を自ら辞し、今はFC今治のオーナー業務に専念する岡田氏。だが、この話術と築き上げてきたサッカー界の太い人脈を生かして、他のトーク番組の司会を任せても面白いと思うのだが、どうだろう?

 今、改めて盛り上がりを見せるサッカー日本代表周辺だが、それは勝利が続いているから。結果が伴わなくなったとき、また人気低迷の危機を迎えても不思議ではない。そのためにも普段からサッカーの奥深さ、楽しさを言語化できる人材をもっと大切にすべき、と思った次第。松木の面白解説もいいけれど、「なるほど、そういう視点があるのか」という新たな角度を提示してほしいのだ。その適任者こそ、岡田武史なのではないだろうか。

 最後に、番組での岡田語録から、新年にふさわしい前向きな言葉を記したい。

「遠くの夢を追って、近くの目標を見つめて、今できる足元のことをやれ」

(文=オグマナオト)

最終更新:2019/01/11 14:02
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