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正直者みやぞんとウソつきクロちゃんと、指原莉乃のパラドックス

みやぞん

■みやぞん「天国みたいな生き方してるか、地獄みたいな生き方してるかの違いだと思いますけどね」

 ウソか本当かよくわからないことを言う人、というのは以前からテレビによく出ていた。たとえば、叶姉妹とか、テレンス・リーとか、湯浅卓とか。ただ、最近はそういう虚実混交な人よりも、ウソがまったくないように見える無垢な人か、あからさまなウソつきに見える人か、どちらか極端な人にスポットライトが当たりやすくなっているような気もする。

 前者の代表格はみやぞんだろう。『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の初登場時から注目を集め、その後は『世界の果てまでイッテQ!』など、日本テレビ系の番組に多く出演。いわゆる「お茶の間の人気者」の座に駆け上がった。

 そんな『イッテQ!』で20日、みやぞんが14日間かけてイタリア各地を自転車でめぐる旅が放送されていた。旅の4日目、フィレンツェに到着したみやぞんは、世界遺産に登録されているサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂を訪れる。そこでは多くの観光客が列を作っていたのが、大聖堂の天井に描かれた「最後の審判」。16世紀の作品で、キリストが死者を裁き、天国に行く者と地獄に行く者を選別する場面が描かれている。

 みやぞんは天井を見上げ、絵に込められたメッセージを読み解こうとする。もしかすると、天国に近い場所を天井に描くことで、生きている人間がいる地上、この世は地獄ということを表現しているのではないか。そんな自説を述べるものの、その後、思い直したようにみやぞんはつぶやく。

「でも結局、地獄っていう場所とか、天国っていう場所っていうよりも、天国みたいな生き方してるか、地獄みたいな生き方してるかの違いだと思いますけどね」

 みやぞんは、唐突にこういった含蓄のあることを言う。以前、別の番組で「絶対音感あるの?」と聞かれたみやぞんが、「違います。世の中に絶対はないと思ってます」と答えていたこともあった。

 この日の『イッテQ!』では、こんなエピソードトークも披露していた。

「面白いことっていうのは、実際そんな起きないわけですよ。こないだですね、家に帰りました。ピンポーン。ま、自分ちなんですけどピンポン押しまして、まぁ押さなくていいんですけど。それで家に帰りまして、ガサガサッ、ガサガサッ、て音がするなと思ったんです。ひとり暮らしですよ。あれっ、なんで? なんで? もしかして、お母さんかなと思ったんですよ。で、パッて見たらですね、誰がいたと思います? そう、お母さんだったんです」

 家に帰って物音がしたのでお母さんかなと思ったらお母さんだった、という話。多くの芸人が自分のトークに何かしらオチをつける中、「こんな感じで、あんまり面白いことっていうのは起きないわけです」と、オチではなく、深く読み取ろうと思えば読み取れるような訓示を残して終わるみやぞんのトーク。

 ウソがないみやぞんのトークにオチはない。天国か地獄かという人生最後のオチが重要ではないように。

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