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「肩書」を外した時、本当の気持ちが見えてくる――ドラマ『初めて恋をした日に読む話』第6話

 同窓会を前に、雅志は同僚の西大井(浜中文一)から、「学歴と、商社マンという肩書に釣られた女子がやってくるのはむしろ短所だ」と言われる。さらに西大井は、「学歴も肩書も無い、別の自分になったら、本当の出会いがあるかもしれないと思う」と言うのだ。

 同窓会当日、会場は久しぶりの再会を懐かしむ人たちで溢れていた。そして予想通り、ハイスペックな雅志は女性たちからモテモテだった。一方、順子は匡平との授業が延びてしまい、会場に行くことができない。連絡を受け、雅志は落ち込む。

 うまく同窓生になりすまして会場に紛れ込んだ美和は、二次会に向かう途中、雨宿りをしていたときに新しい靴に水をかけられる。ここで、順子の呪いがきいてくる。

 同じく雨宿りをしにやってきたのは、エメラルドグリーンのスニーカーを履いた西大井だった。本当の出会いを求めていた西大井は、自分を「売れないダンサー」と紹介する。肩書を外し、「別の自分」になって、美和にアプローチしようと考えたのだ。

 その頃、バーで二人になった雅志と山下。山下から、順子とのことを聞かされた雅志は思い余って、山下のことを殴ってしまう。

 その後、一人でラーメン屋に入った雅志だったが、ここで、割り箸がうまく割れない呪いと、注文が間違われてしまう呪いに襲われる。

 翌日、学校で匡平と向き合った山下は、「順子のことは遊びじゃない」と気持ちを宣言する。それに対し匡平は、「取られるつもりはない。ひっこんでろ。俺のだ」と言い切るのだ。

 雅志は、順子の職場を訪ね、山下とのことを問いただす。順子は否定しながら、「雅志にだけは知られたくなかった」と話す。それは、「よりによって身内に言うなんて」という意味だったのだが、雅志は、自分だけには知られたくなかった、自分に気があるのではないかと勘違いをしてしまう。順子がかけたいろいろな呪いにかかっているようであるが、雅志が本当にかかっているのは、「どんなに思いを伝えても、相手に全く伝わらない」という呪いなのかもしれない。

 その頃、順子は、匡平を東大に合格させるため、他の塾に行かせることを考えていた。「どんな手を使ってでも、確実に東大に合格させる」そう言う順子に、匡平は答える。

「先生とか、年とか、肩書とか関係なく、ただ普通に会いたかった」

 肩書は大事だ。その人が、才能を活かしたり、努力をしたりして手に入れたひとつの証しだから。ただ、それだけで、人を見定めたり、恋愛対象にするかどうかを決めたりするのは、少し残念な気がする。匡平が言うように、逆に肩書があるために、自由を奪われることもあるからだ。

 とかく大人になると、利害や損得だけでものごとを考えてしまいがちだ。しかし、「肩書なんかどうでもいい」と言う匡平の言葉を聞いていると、論理的に考えるよりも、気持ちが先走っていた頃のことを、思い出したりもする。

 物語も中盤となり、今まで、頼りなさや鈍感さばかりが目立っていた順子も、凛々しい表情を多く見せるようになった。雅志、山下、匡平、三人の男性と向き合い、それぞれの気持ちを受け止める。実際の深田恭子もさぞやと思わせる芯の強さが、そこにはある。

 ラストでは、新たな塾講師、百田(高梨臨)が登場した。これまで、男性三人の戦いを見てきた中、今度は新たな女の戦いが始まるのかもしれない。高校3年の秋、受験まではあと少しだ。

(文=プレヤード)

最終更新:2019/02/20 20:00
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