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じゃまおくんのザオリク的マンガ読み

第3次Queenブームの今読みたい、時空を超えた盗作スペクタクル 『僕はビートルズ』

僕はビートルズ』(モーニング KC)

 皆さんビートルズ好きですか? とりあえず、嫌いってことはないですよね? 昔から、ほとんどの日本人はビートルズとQueenのことが好きだって決まっているんです。いわば、国民総にわかビートルズファン状態です。そんな、ビートルズがほどほどに好きな皆さんに今回ご紹介するのは『僕はビートルズ』(モーニング KC)。作品のタイトルを見て「いや違うだろ…って即刻否定したくなるマンガってそうそうないと思うのですが、これがまさしくそれでした。

 表紙に描かれているキャラクターはどう見ても日本人だし、特にビートルズに似てもいないし。100%「お前はビートルズじゃない」って言い切れます。ところが読んでみると、「やべえ、こいつら本当にビートルズかもしれない……」と思えてしまう、そんな作品だったのです。ちょっと何言ってるかわからないと思いますので、これから説明しましょう。

 本作は、凡人にはまず思い浮かばない大変トリッキーなストーリーです。ビートルズを愛しすぎる日本のビートルズコピーバンド「ファブ・フォー」のメンバーたちが、2010年の現代から、なぜかビートルズがこの世にデビューする前年の1961年(昭和36年)に突然タイムスリップ。それをいいことに、ビートルズの曲を自分たちのオリジナル曲として世間に出したら世界的に大人気となってしまい、本家のビートルズが消滅の危機に……というお話です。

 要するに、ビートルズを盗作した日本人バンドの物語なんですけど、そのスケールがデカすぎるのです。なにせ、本物が生まれる前の時代にタイムスリップしてるんですから。そりゃあ、盗作ぐらい余裕でできますよね。

 というわけで、まずは時空を超えたビートルズのパクリをやらかしたファブ・フォーのメンバーを紹介しましょう。

●蜂矢翔(はちや・しょう)

 愛称・ショウ。ビートルズのギター、ジョージ・ハリスンのパートを担当。ジョージと同じく、他のメンバーに比べてキャラが薄いのですが、一応本作の主人公です。ビートルズの曲をパクった罪悪感で一番苦しんでいるのがこのショウ。まだ良心が残っているあたり、メンバー中で一番マトモといえるキャラクターです。

●鳩村真琴(はとむら・まこと)

 愛称・マコト。ビートルズにおけるポール・マッカートニーのパートで、ベーシスト兼ヴォーカル。ポールに合わせてギターを左利きに矯正するほど、狂信的なまでにビートルズの完コピにこだわる男。この男がタイムスリップ後の日本で、まだ世に生まれてないはずのビートルズの名曲「イエスタデイ」を世間に披露し、真顔で「俺が書いた曲です」と言い放ったことがすべての混乱の始まり。

●鷹津礼(たかつ・れい) 

 愛称・レイ。ビートルズにおけるジョン・レノンのパートで、ギター兼ヴォーカル。ただのビートルズの完コピバンドで終わりたくない、オリジナルの精神こそビートルズだ! という主張のため、完コピ主義のマコトとしょっちゅうぶつかり、ついには脱退。ビートルズでも、ジョンが脱退するエピソードがあるので、それになぞらえている感じですね。

●鶴野コンタ(つるの・コンタ)

 愛称・コンタ。その昔「リンゴすったー!」と缶チューハイのCMでダジャレをかましたことで有名なリンゴ・スターのドラムパートを担当。一見、温厚で一番マトモそうなのですが、1961年にタイムスリップした直後に、速攻でストリップ嬢のヒモに収まるという、ダメな意味で順応性の高さを見せつけてくれます。

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