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福山雅治は“爆死案件”を逆転させられるか!? 主演俳優からリストラされる危機『集団左遷!!』第1話

『コンフィデンスマンJP』のあの人が……!!

 原作は『集団左遷』に加え、同じく江波戸哲夫が書いた『銀行支店長』の内容も盛り込んであります。ノルマが達成できなければ全員リストラという設定は『集団左遷』で、メガバンク化で合併した側とされた側との銀行支店内の見えない軋轢というモチーフは『銀行支店長』からのものです。どちらもかなり重たい内容ですが、今回の『集団左遷!!』は初回を見た限りでは、福山のコミカルな演技が目立ちます。ライト感覚のサラリーマンドラマを、TBSは目指しているようです。

 日曜劇場の企業ドラマでおなじみの香川照之が片岡支店長よりも貫禄のある旧地方銀行系の副支店長・真山を演じていますが、『半沢直樹』(TBS系)のときのように顔面クローズアップをやたらと多用しない点は、クドくなくていいなと思いました。でも、『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)の詐欺師役でプチブレイクした小手伸也を、本店の検査次長・鮫島役に起用したのはどうでしょうか。小手がマジメに演じれば演じるほど、ダー子(長澤まさみ)に頼まれて銀行に潜入した詐欺師に思えてきてしまいます。他局のドラマだから、ダー子が現われるわけはないのですが……。

 さて、気になる初回の視聴率は? 13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)という、思いがけず高い数字でした。前クールに放映された『グッド・ワイフ』が初回10.0%、シリーズ平均9.7%だったので、かなりの好スタートだと言えそうです。TBSの伝統枠「日曜劇場」というブランド力に、視聴者からの初回ご祝儀という上乗せもあるかと思います。

 ちなみに同じく金融業界を舞台にした池井戸潤原作ドラマ『半沢直樹』(TBS系)は、平均28.7%、最高視聴率となった最終回は42.2%という信じられない数字を残しています。片岡支店長は絶対に不可能な100億円というノルマに挑むことになりますが、福山も『集団左遷!!』を『半沢直樹』の牙城に迫る奇蹟のドラマへと変えることができるのでしょうか。2話以降も、なるべく頑張らずに追い掛けたいと思います。
(文=長野辰次)

最終更新:2019/04/23 11:34
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