岡田准一 vs 福山雅治の視聴率バトルの結果は? 片岡支店長が運命の日を迎えた『集団左遷!!』第6話

2019/05/27 20:00

文=長野辰次
TBS系ドラマ『集団左遷!!』番組公式サイトより

 福山雅治が軽い銀行支店長役を軽~く演じたサラリーマンドラマ『集団左遷!!』(TBS系)。ここまでは脚本の粗さばかりが目立っていますが、まったく修正されることなく蒲田支店が廃店か存続かが決まる運命の日を迎えました。第1章完結編と銘打たれた第6話を振り返りたいと思います。

(前回までのレビューはこちらから)

 半期で100億円のノルマを達成できなければ、即廃店されることが決まっている三友銀行蒲田支店。第5話で片岡支店長(福山雅治)から20億円の小切手をだまし取った三嶋社長(赤井英和)のエピソードの続きから第6話は始まります。

 原作小説のひとつ『銀行支店長』(講談社)では三嶋社長の逃亡先であるフィリピンまで追跡劇は展開されますが、残念ながら『集団左遷!!』では三嶋社長は空港で片岡支店長にあっさりと見つかります。プロボクサー時代はハードパンチャーで鳴らした“浪速のロッキー”赤井英和ですが、実におとなしく体調不良の片岡支店長に取り押さえられるのでした。

 10年前の福山雅治主演作だったら海外ロケも考えられたかもしれませんが、国内の空港でちゃちゃっと済ませられたところに、現在の福山の置かれている状況を感じさせます。

 三嶋社長が低金利で近寄ってきた羽田支店ではなく、わざわざ蒲田支店にこだわって20億円をだまし取った理由は、まったく明かされないままでした。ただ三嶋社長に「お金が苦しかったんや~」と最後にひと言叫ばせただけで巨額詐欺事件解決です。「脚本を練る余裕がなかったんや~」という脚本家の叫びのように聞こえたのは気のせいでしょうか。

 

『半沢直樹2』を揶揄するギャグ

 20億円は無事だったものの、100億円のノルマは達成できていません。蒲田支店のみんなで営業会議を開き、アイデアを募ります。若手行員の滝川(神木隆之介)から「羽田支店に奪われたお客を奪い返したいと思います」という意見が提案され、「いいね」と一度はOKしかかった軽い片岡支店長ですが、「やられたんだから、やり返していいでしょ」と主張する滝川に対し「いやいや、ダメだよ」と“倍返し”を禁じます。

 堺雅人主演の『半沢直樹』(TBS系)の続編が2020年4月にオンエアされることが正式発表されたばかりで、さっそく『半沢直樹』の決めゼリフだった“倍返し”を揶揄するTBS内の身内ギャグが。『集団左遷!!』の製作チームは高視聴率を記録した『半沢直樹』や『下町ロケット』(TBS系)などの池井戸潤原作ドラマをライバル視していることがうかがえます。

 その後のドラマ展開も池井戸ドラマを意識したものとなっていました。蒲田支店の奮闘ぶりを後押ししたい本部の藤田頭取(市村正親)から、片岡支店長はかつて下町工場としてがんばっていた西村精機を紹介されます。物づくりの夢を追い続けていた社長が亡くなったため、未亡人・雪子(丘みつ子)が工場を閉鎖してコインパーキングを開くための1億円を融資してほしいという案件でした。

 西村精機に1億円を融資すれば、100億円のノルマ達成です。ところが工場を訪ねた滝川は、未亡人が亡くなった夫の夢を守るために工場を再開したがっていることに気づくのでした。そのことを片岡支店長も知り、悩みます。さっさと1億円を融資すれば、蒲田支店は廃店を免れるのですが、片岡支店長は支店員みんなを集め、「僕らがうまく行って、お客さまがうまく行かなくていいのか」と問い掛けるのでした。

 片岡支店長が自分から発した問い掛けの回答はこうでした。西村精機に1億円を融資はしない。その代わり、義足サイボーグを開発中のお金のない若者たち3人を未亡人に引き合わせるというものでした。跡継ぎのない高齢の農家などの事業主にやる気のある若い人材を紹介する「第三者継承」の下町工場版です。工場を持っているけど働き手のいない未亡人と、夢を持っているけど夢を叶える場を持たない若者たち3人組は、「Win-Win」の関係となったわけです。片岡支店長は「お金ではなく、心意気をご融資させていただきました」とドヤ顔です。一瞬、片岡支店長の顔に坂本龍馬の面影が宿りました。

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