日刊サイゾー トップ > インタビュー  > モラハラ夫がそれに気づくまで(1)
【DV、虐待、モラハラ加害者頭の中とは?(1)】

モラハラ夫だった僕がそれに気づくまで――「加害者の共通点」とは

虐待、DV、モラハラ加害者の特徴は「頭の中が地雷まみれ」

――ほかのことで何か言われても受け流せるけど、この分野で何か言われたりからかわれたりしようものなら許せないのが「地雷」ですよね。

 生い立ち、容姿、学歴、優秀な兄弟と比較されること、健康面の問題、過去の大きな失敗や後悔、どうしてもできないことなど、地雷は人によりさまざまですが、大抵の人は多かれ少なかれありますよね。

中村 はい。ただ、加害の当事者は「地雷」が人一倍多いのだと思います。地雷は触れられたくない部分であり、自分で自分を認められていない部分とも言えます。

 先ほどの「歯ブラシに水をつけないなんて」も、地雷になってしまうんです。

――「歯ブラシに水をつけない」が「生い立ちを否定される」レベルでいらだつとなると、毎日カリカリ、イライラすることだらけで、加害側も相当生きにくいですね。

中村 「歯ブラシに水をつけない」は地雷のサイズとしては小さいのですが、一度地雷に着火すると、ほかの地雷を誘発してしまうんです。「そういえばあのときもああだった! あのときも! ムカつく!」と。そしてどんどん一人で炎上していってしまう。

――しかし度合いに差はあれど、人に腹が立った時に「あの人そういえばあのときもああだった、こうだった、やっぱりムカつく!」となるのって、結構普通ですよね。

中村 そうなんです。なので、DV、虐待、モラハラの加害者とそうでない人の間には、別に明らかな境界線があるわけではなく、程度の問題なんです。よって、何かのきっかけで「そちら側」に行ってしまってもおかしくない、地続きなものだと思います。

 

自分の地雷をあえて自分で踏んでしまうのはなぜ?

中村 そして、頭の中が地雷だらけな人は、自分の地雷を自分で踏み抜いて傷つく回数も多くなります。

 あくまで一例ですが「引きこもりの人は社会と接点を持っていなくて危ない」と言われがちですが、本人が快適に暮らせていれば別に問題はないんじゃないでしょうか。でも、それを引きこもっている本人が一番気にしてしまう。

――そこで本人が「このままじゃ自分はダメだ」と自分で自分を追い込み、Googleで「引きこもり ダメ」と調べ出し、情け容赦ない意見を見て落ち込んで、ますます気持ちは荒んで……というような。

中村 はい。それが自分で自分の地雷を踏むということです。 地雷が多いと、意識的、無意識的にもこういった選択をしてしまいがちになります。

――でも、何も引きこもりの人に限らず、多くの人が、自分の地雷を自分で踏んでいますよね。結婚しなきゃダメ、友達がいないとダメ、いいねをもっともらえないとダメ、痩せなきゃダメ、正社員にならないとダメ、ちゃんとしてないとダメだとか……。何もしなければそれなりに快適だった場所を、自分であえて不快にしてしまっている人は少なくないと思います。

 * *

『DVはなおる 続 被害・加害当事者が語る「傷つけない支援」』(ジャパンマシニスト社)

「加害者側の頭の中は地雷でいっぱい」。冒頭で触れた元事務次官の父親に殺された44歳の長男も、SNSで非常に他者に攻撃的だったという報道もある。

 なにもこの長男に限らず、SNSでいつも怒っている人など普通によく見かける。そういう人たちの頭の中も、おそらく地雷まみれなのだろう。

 本人にしてみれば好きで怒っているのではなく、不愉快な現実や、時として現実ですらなく、自分の頭の中で作ったイメージという仮想敵に怒らされ続けている「被害者」なのだ。毎日怒り散らす本人もつらいだろうが、そういう人の周りにいる側とてたまったものではない。

 第2回では「DV加害者と被害者の共通点」について引き続き中村氏に問う。

(文/石徹白未亜 [https://itoshiromia.com/])

◆石徹白未亜の過去記事はこちらから◆

 

ヤマハの楽器用『防音室』は「寝室」として使えるのか? 公式に聞いてみた! 【連載:静かに寝たいあなたに】の画像2★好評発売中!!
『節ネット、はじめました。 「黒ネット」「白ネット」をやっつけて、時間とお金を取り戻す』(CCCメディアハウス)?

最終更新:2019/06/17 11:50
12
こんな記事も読まれています

モラハラ夫だった僕がそれに気づくまで――「加害者の共通点」とはのページです。日刊サイゾー芸能最新情報のほか、ジャニーズ/AKB48/アイドル/タレント/お笑い芸人のゴシップや芸能界の裏話・噂をお届けします。その他スポーツニュース、サブカルチャーネタ、連載コラムドラマレビューインタビュー中韓など社会系の話題も充実。芸能人のニュースまとめなら日刊サイゾーへ!

ページ上部へ戻る

絶対的満足度の至宝店

すべて見る

人気連載すべて見る

元木昌彦の『週刊誌スクープ大賞』

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"元木昌彦による週刊誌レビュー

“元アウトローのカリスマ”瓜田純士、かく語りき

“元アウトローのカリスマ”瓜田純士の最新情報をお届け! 嫁・麗子も時々登場。

トンデモ海外ニュース

世界中のびっくり珍事件をお届け。世界はやっぱり広かった!

深読みCINEMAコラム『パンドラ映画館』

最新作・話題作から珠玉の掘り出しモノまで、毎週1本必観の映画作品を徹底レビュー

じゃまおくんのザオリク的マンガ読み

マンガレビューブログ管理人じゃまおくんが、世の中に埋もれる過去の名作マンガを発掘!

イチオシ企画

【キング・オブ・アウトロー】瓜田純士、かく語りき

“キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士が森羅万象を斬る不定期連載
写真
特集

ジャニー喜多川氏逝去で、ジャニーズ事務所はどうなる⁉

ジャニーさん死去でジャニーズ事務所がいよいよヤバい!?
写真
人気連載

ジャニーの陰を書かぬメディア

今週の注目記事・第1位「『貴景勝』ご祝儀270...…
写真
インタビュー

チケット転売規制法は「国民救済」が目的じゃない! 

 東京オリンピックを視野に6月に施行される「チケット転売規制法」。チケットの高額転売...…
写真