本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」

吉本興業と衝突してテレビから干された大物芸人の嘆き「そんな状態が12年近く続いている」

文=本多圭

島田洋七・オスカープロモーション公式プロフィールより

 “闇営業騒動“に端を発し、”パワハラ”、”隠蔽工作”問題で目下、激震中の吉本興業。岡本社長は会見で、雨上がり決死隊・宮迫博之とロンドンブーツ1号2号・田村亮への処分を撤回するとし、今後2人がどのような決断を下すのか注目が集まるが、かつて一世を風靡した漫才コンビ『B&B』の島田洋七は、吉本を退社してフリーになった後、12年近くもテレビ界から干されている状態が続いている。

 お笑い芸人を目指していた洋七は、当初、吉本に所属したものの、その後、結成した漫才コンビ・B&Bで東京進出するため、吉本を退社。

 上京後、『お笑いスター誕生』(日本テレビ系)で優勝し、ビートたけしのツービートらと80年代の漫才ブームを牽引したが、漫才ブームの終焉にともない、仕事が激減。洋七は相方の島田洋八とともに吉本に出戻った。

 吉本に出戻った後、洋七は自叙伝『佐賀のがばいばあちゃん』を自費出版。その後、徳間書店がこれを文庫化して全国発売すると、大ヒット。累計600万部を超す大ベストセラーになり、映画やドラマ、舞台化もされたが、この出版印税をめぐって会社と揉め、07年8月に吉本を退社している。

 当時、会長だった吉野伊佐男氏は円満退社を強調したが、大崎洋会長(当時、副社長)は、筆者に「吉本に所属している、しかも、売れなくなった洋七さんを吉本は2度も戻したんです。他の所属タレントの手前、1円でもいいから、形だけでも、会社に印税を入れくれと言ったんですが、洋七さんは『自分の力で売ったんだ、吉本には力を貸してもらってない』の一点張り。示しがつかないから辞めてもらったんです」と語っていた。

 ちなみに、出版印税をめぐっては、同社所属のピース・又吉直樹が、著書『火花』で芥川賞を受賞した際、印税の約半分が事務所に入ることが明らかになり、「とり過ぎでは」と疑問の声があがったこともある。

 ともあれ、吉本を退社した洋七は、“がばい御殿”を建築した佐賀県に移住。個人事務所「島田オフィス」を設立したが、独立後、仕事が全く入ってこなくなったという。

「たまにテレビ局の若手スタッフから、『こんな面白い企画があるんですが』と出演依頼がきて打ち合わせをするんですが、その後、『企画が潰れました』と言ってくる。上層部に企画を上げると、吉本に忖度して話がなくなるというんです。そんな状態が12年近く続いてますよ」(島田洋七・談)

 洋七は14年に再起を狙って、大手プロ「オスカープロモーション」に所属するが、状況は変わらず。それも実力がないならば仕方ないが、その話芸は、ビートたけしが「洋七ほどしゃべりが上手いやつはいない」と絶賛するほどなのだ。にもかかわらず、現在のレギュラー番組はTOKYO MXテレビの『バラいろダンディ』の金曜MC1本のみ。この仕事は洋七自身が取ったものだという。

「そのほかは、たまにたけしが自分の番組に誘ってくれるくらい。講演会の依頼があるからなんとかやって行けるんです」

 テレビ局への圧力や忖度といえば、先日、SMAPの元メンバーである稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の3人に対して、ジャニーズ事務所がテレビ出演させないようテレビ局に圧力をかけた疑いにつながる行為があったとしてて、公正取引委員会から注意を受けたばかり。

 また、この報道を受けて、3年前に「レプロエンタテインメント」との“奴隷契約“を訴えて独立した女優ののん(能年玲奈)のマネジメントを担当する事務所社長は、現場からは企画のオファーがくるものの、「上司や担当役員によって突然潰されてしまうことが繰り返されてきました。その状態が3年も続いております」「のんが3年間テレビ局で1つのドラマにも出演が叶わないことは、あまりにも異常ではないでしょうか?」という訴えを公式サイトに掲載した。

 今後、宮迫と田村が吉本に戻るのか、“フリー”として活動していくのかはまだ不明だが、いずれにしろ、洋七やSMAPの元メンバー、のんのような犠牲者を出さないためにも、テレビ局には大手芸能プロの圧力に屈しない姿勢が求められる。

最終更新:2019/07/22 21:55

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