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吉本興業の騒動で地方のタレントPR大使に深刻な実害 リスク発覚で起用を控える動きも

田口淳之介、NGT48……

 残念な典型例といわれているのが、熊本市だ。アイドルグループ、KAT-TUNの元メンバー・田口淳之介に、熊本地震の復興に一躍買ってもらおうと「ふるさと大使」に任命していた。ところが、今年5月の大麻事件発覚後、速やかに田口を解任。同時に、大々的なPRイベントと期待されていた都内の「食のイベント」を開催目前にして急きょ取りやめる憂き目に遭っている。

 熊本市の大西一史市長は、田口の事件で”天国と地獄”の経験談を告白している。まず昨年9月のTwitterで、田口のことをこう絶賛していたのだ。

<田口淳之介さんと対談。とても爽やかで優しく心のある好青年。そりゃ会場は大変なものでして。彼がにっこりする度に「キャー?」彼がおにぎりを一口頬張ると「キャー?」と。私がおにぎり食べても「しーん?」。最後に撮影会。よく見ると僕を外して彼だけを写す人。世の中はシビア。残念です?」>

 ところが、5月23日の朝、大西市長は痛恨のツイートを発信した。

<皆さんおはようございます。今朝の目覚めの一曲はありません。昨日「熊本ふれんず応援大使」に任命していた方が逮捕されるというショッキングな報道がありました。今日は午前中に定例記者会見がありますので詳細についてはそこでお話しさせて頂きます。今日も一日全力で頑張ります。(`_´)ゞ> 

 大西市長のツイートは毎朝、「今朝の目覚めの一曲」で始まる。そのツイートを取りやめるとは、よほどこの事件がこたえたに違いない。

 田口のケースと同じように、タレント起用のリスクを広く知らしめたもうひとつの実例がある。心ないファンによる暴行事件からグループ内のトラブルに発展したアイドルグループ、NGT48だ。新潟市関係者が証言する。

「AKB48グループの中でも、最も地域に密着したグループといわれ、実際、地元自治体から猛烈な誘致活動が行われました。そのひとりが、前の新潟市長です。文化・芸術事業に力を入れた市長で、アイドルを誘致する事業にも『PR活動をしてもらえる』と積極的でした。しかし、この市長、”金食い虫”の文化芸術事業にカネをつぎ込みすぎて、自治体の貯金300億円をカラにしてしまった。その結果、責任を追及され、先の新潟市長選に出馬できず、引退に追い込まれています。事実上のクビですから、今回のNGTトラブルを受けて新潟ではPR大使の起用見合わせなどが相次いでいて、事業を刷新する方向で動いています」

 自治体によるタレントの起用は、うまく当たれば格好の広告塔になってくれるものの、今回の「闇営業」問題であらためてそのリスクを鮮明にしたといえる。

 タレントの不祥事といえば、テレビコマーシャルの損害賠償問題がすぐにニュースになりがちだが、これほど全国各地の自治体でタレントのPR大使化が進むと、スキャンダルが出るたびに、その町への悪影響が問われかねない。

「その根っこを探ってみると、自治体の税金を狙った芸能事務所のあこぎなタレント売り込み戦略にはまってしまった悲劇と言えるのかもしれません。まさにこれは、新たな社会問題と言ってもおかしくない現象なんです」(前出・自治体ジャーナリスト)

 芸能人のネームバリューに頼り切った、地方自治体の落ち度……とまでは言わないが、今後の自治体PR事業はさまざまなリスクを考えるべきなのだろう。

最終更新:2019/07/29 12:00
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