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日刊サイゾー トップ > その他 > ウーマン・ウェジー  > 常磐道あおり運転、SUVの犯人やディーラーの”特定”が過熱
【wezzy】

常磐道あおり運転、SUVの犯人”特定”が過熱…試乗車貸したディーラーまで誹謗中傷

 10日早朝に茨城県・常磐自動車道で起きたあおり運転事件。被害者男性のドライブレコーダーには、その一部始終が映っていた。

 前を走る白の高級SUVがおよそ5分間にもわたって煽り続け、「降りてこい」「殺すぞ」などと叫んで後続の被害者の車を無理やり停車させた。さらに、SUVから降りてきた男が被害者男性を窓越しに殴打。顔面を計5発も殴られた被害者男性は流血していた。

 14日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)では、このショッキングなドラレコ映像を放送。白のSUVは、神奈川県内の販売店から最低3週間は貸し出されていた「試乗車」であり、これまでにも静岡県内、愛知県内でもあおり運転を繰り返していた可能性が高いと伝えた。被害者男性はすでに被害届を提出しており、茨木県警が捜査を進めているという。

 番組で羽鳥慎一アナウンサーが「車のトラブルですから『あおり運転』というくくりにはしましたけど、傷害事件ですね」とコメントしていたとおり、犯人の行為はかなり悪質かつ危険だ。犯人の早期逮捕と事件解決が望まれることは間違いないだろう。

 しかし、ネット上で加速する犯人”特定”の動きは危険だ。ネットの匿名掲示板にはSUVの車両ナンバーや犯人の名前を書き込む者が現れ、SNSなどを通して流布されている。世間の関心の高い事件を素早くまとめて閲覧数と広告収入を稼ぐ「トレンドブログ」のなかには、こうした真偽不明な情報をあたかも真実であるかのように拡散させているものもある。

 現在、犯人の個人情報のほかにもSUVを貸出した神奈川県内の自動車ディーラーが”特定”されており、同店舗のGoogleマップのレビューには「店長は責任を取れ」「事件発生までの経緯をちゃんと釈明するべきだ」などと無茶苦茶な誹謗中傷コメントが続出している。

 出どころの分からないネット上の情報はどれも信ぴょう性が低く、デマが含まれている可能性も大いにある。そうした情報をむやみに信じて拡散させたり、誹謗中傷に加担しないでほしい。

「東名煽り運転事故」ではデマ情報書き込みで書類送検
 「あおり運転」が社会問題化するきっかけとなったのは、2017年6月に起こった神奈川県の東名高速道路で起こった「東名あおり運転事故」であった。この事故では、家族4人が乗ったワゴン車が前を走る車にあおり運転を受けて無理やり停車させられ、後続のトラックが追突。当時高校1年生の長女と小学6年生の次女は軽傷を負い、夫婦2名が亡くなるという痛ましい事故だった。

 あおり運転を行った石橋和歩被告は昨年12月、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われ、懲役18年の判決を受けている。ただし、「刑が軽すぎる」という声もあり、「あおり運転」の量刑について議論が続いている。

 

 しかしこの時も、事故の第一報の直後から、石橋和歩被告にまつわる個人情報がネット上に出回っていた。事故当時、助手席に乗っていた石橋和歩被告の交際女性や家族の個人情報、顔写真までがネットで拡散。また、石橋被告とは無関係の北九州市の建設会社は「犯人の勤務先」というデマが拡散し、嫌がらせの電話などが相次いで2日間の営業停止を余儀なくされた。

 これを受けて、福岡県警は昨年6月、SNSや掲示板にデマを投稿した9道県の男11人を名誉毀損(きそん)容疑で書類送検している。また今年3月には、同建築会社がデマ情報をSNSやネットに書き込んだ男8人(3人は示談が成立)を相手取り、計880万円の損害賠償を求める訴訟を起こしている。

 大きな事件や事故が起こるたびにネットは騒々しくなるが、犯人特定などの行動は事件や被害者を悼む気持ちとは別ものだろう。ネットの匿名性をいいことに、デマ情報を書き込む者もいる。SNSを含むインターネット世界には、嘘やデマも溢れていることを承知したうえで利用したい。

最終更新:2019/08/15 07:15
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