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若手芸人の劇場ヨシモト∞ホールで「ノルマシステム」廃止も、空席だらけの悪循環に

文=日刊サイゾー編集部(@cyzo

吉本興業・東京本社

 東京・渋谷にある吉本興業の劇場「ヨシモト∞ホール」。テレビなどでブレイクする前の若手芸人が主に出演するこの劇場で、ちょっとした異変が起きている。

「これまでヨシモト∞ホールの一部の若手ライブには、出演芸人がチケットを一定数買い取ってそれを手売りするという“チケットノルマ”のシステムがあったんです。でも、芸人にしたら、手売りできなければ自腹を切ることになるわけで、負担が大きいとブーイングが起きていた。そこで、つい最近ヨシモト∞ホールの管理体制が変更されたタイミングで、そのノルマ制度が廃止されたというんです」(お笑い業界関係者)

 チケットノルマは、数百人以下の規模のライブハウスや劇場で開催される音楽ライブ・お笑いライブでは一般的なもの。いうなれば、出演者たちが自分でお客を集めることで興業を成り立たせるためのシステムである。

「ヨシモト∞ホールは吉本が持っているハコなので、いわゆるレンタル代などはかからない。そのため、実はノルマを課さなくてもイベント自体は開催できるんですよね。吉本の若手たちもそういった仕組みはわかっているので、“自分たちでチケットを売る必要があるのか?”という意見が多かったようです」(同)

 しかし、実際にヨシモト∞ホールでノルマシステムを廃止してみたところ、残念な結果が待っていたのだ。

「ノルマシステムがあったころは、芸人が頑張ってチケットをさばいていたこともあって、それなりに客席が埋まっていたんですが、ノルマをやめた途端、全然客席が埋まらなくなってしまったようです。これには、吉本も芸人も頭を抱えているようですね」(同)

 若手芸人のギャラが少ないと言われる吉本だが、その代わりに吉本が持っている劇場でのライブに出演する機会が多いというメリットがある。ステージでネタを披露するチャンスが増えれば、それだけ芸人として成長できるというわけだ。

「客席がガラガラの劇場でネタをやっても、大した経験にもならないし、芸人たちのモチベーションも下がってしまう。そういう意味では、ノルマシステムで客席を埋めるというのは、大きな意味があった。芸人の意志を反映する形でノルマをやめたのに、結局芸人が損をするような形になってしまうのは、ちょっとナンセンスですね」(構成作家)

 さまざまな変化を試す吉本だが、必ずしもそのすべてが芸人のためになっているかというと、そういうわけでもなさそう。こういった試行錯誤の中で、芸人たちが割りを食う形にならなければいいのだが……。

最終更新:2019/09/05 22:00
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