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NewsPicks後藤直義の「GHOST IN THE CHINA」

過酷な受験戦争が生んだ、中国の「教育アプリ」の進化

――あまりにも速すぎるデジタルテクノロジーの進化に、社会や法律、倫理が追いつかない現代。世界最大の人口14億人を抱える中国では、国家と個人のデータが結びつき、歴史に類を見ないデジタルトランスフォーメーションが進行している。果たしてそこは、ハイテクの楽園か、それともディストピアなのか――。

■作業幇(ゾウイエバン)

2014年に、中国の小中高校生向けに、宿題の写真をスマートフォンでアップロードすると、その「解き方」を探してくれるアプリとして誕生した。またオンライン上で1対1の学習指導などをおこなってくれる有料サービスなども備えている。もともと百度(バイドゥ)から生まれたが、スピンアウトして有力ベンチャーキャピタルから出資を受けて、現在はユニコーン企業(時価総額1000億円以上の未上場企業)のひとつに数えられている。

「中国の受験戦争は、比喩じゃありません。本当の戦いなんです」

 2019年6月7日朝、北京市内の空気はいつもよりも張り詰めていた。何しろこの日は、中国全土の高校3年生たちが、これからの人生を大きく左右することになる大学入試の統一試験「高考」を受験する日だからだ。

 たまたま取材のために北京に滞在していた私は、受験会場に足を運んで、たくさんの受験生たちがやってくる様子を眺めに行った。同行してくれたのは、中国の最高学府である清華大学大学院生の夏目英男さん(23)だ。

 今年は1031万人の生徒がこの一発勝負のテストに挑み、どの大学に入学できるかが決まる。超名門の清華大学や北京大学、浙江大学を頂点にして、場合によってはわずか1点の差で、14億人の学歴ヒエラルキーにおける位置づけが決まってしまう。

学歴社会の中国では受験生たちへのプレッシャーも大きい

 ちなみに学歴社会で知られる中国にとって、ことさら受験生たちが受けるプレッシャーは半端なものではない。

 さらに日本の大学受験よりも過酷なのは、中国には私立大学という選択肢が事実上ないことだ。いわゆる東京大学や京都大学などの国立大学に落ちても、慶応大学や早稲田大学に行けばいい、という「逃げ道」がほとんどないという。

 会場まで、両親がマイカーで送りにくるケースも多い。そしてお弁当を抱えて、会場の外で待機して、我が子の奮闘を祈っているのだ。

「もう6年前に受験したのですが、この日が来ると、反射的に緊張しますね」

 自身も留学生向けの高考を経験している夏目さんによれば、中国には高校生活のすべてをこの日のために捧げている生徒が、たくさんいるのだという。誰もが知っている名門校は、衡水市(河北省)にある「衡水中学校」だ。

 全寮制のこの高校では、まるで牢屋のように鉄格子がはまった部屋で、起床から就寝まで、分刻みで勉強のスケジュールが組まれている。ランチタイムを過ごす食堂で、テキストを読みながら行列している姿は、中国でも賛否両論あるという。

 しかし、一流大学に合格すれば、出自に関係なく大きなチャンスがつかめるのも事実。そのタフな戦いのために役立つのが、ものすごいスピードで進化している中国の「教育アプリ」だ。

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