”元アウトローのカリスマ”瓜田純士、ブラックエンペラー2代目総長の実父への想いをラップに乗せる!

撮影=おひよ

「親父、調子はどうだ?」――ユーチューバーとして、そしてミュージシャンとして精力的に活動中の“キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士(39)が、瓜田夫婦名義で新たなミュージックビデオを発表した。曲のタイトルは「TO FATHER」。伝説の暴走族「ブラックエンペラー」の2代目総長で、元極道でもある実父(遠藤吉寿氏)に向けたラップソングだ。父の背中を追うようにアウトローの世界に足を踏み入れた瓜田だったが、やがて両者は対立し、疎遠状態に……。あれから5年。更生し、家庭を持った元不良息子が、父への思いを曲に刻んだ。

――なぜ今この時期に、「父親」をテーマにした曲を発表したのでしょうか?

瓜田純士(以下、純士) 親父とは久しく会っていないんですが、今年の夏、知人から近況を聞きまして。その晩、親父について、あれこれ考えたんですよ。構ってもらえなかった少年時代や、対立していた極道時代は「あんな奴は親じゃねえ」とうそぶいていましたが、大人になって更生した今では「俺が子どもだったな」「実はいろんなところで守られていたんだな」と思えるようになった。そこで、親父に対するそうした思いを曲にしようと決めました。

――純士さんとお父様の関係性を教えてください。

純士 俺が小6か中1のときに両親は離婚したんですが、お袋との結婚期間も外に女を作っていたから、年に一度ぐらいしか家に帰ってこないような親父でした。だから、「どんな人なんだろう?」という興味があり、親父の本棚を漁ると、暴走族時代の本(『俺たちには土曜しかない』遠藤吉寿著)や映画(『ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR』)のVHSが出てくるから、憧れも抱くようになって。

 でもお袋は、親父が帰ってこない間、姑の近くにいたせいでノイローゼ気味になってしまい、俺は親父への憧れを表に出すことができなかったんですよ。子ども心に「お袋の味方をしないといけない」という思いがあったから、いつもお袋の目を盗みながら親父関連の作品を見ていました。

――ご両親が離婚してから、お父様との交流は?

純士 ますます疎遠になったんですが、ある日、おばあちゃんから、「親父には弟がいた」という話を聞きまして。そこの家庭もいろいろと問題があって、おばあちゃんは弟らを残して、長男である親父だけを連れて家を出てきちゃったらしいんです。

 生き別れになった弟からしたら、お兄ちゃんに会いたい。やがて風のウワサで「1万人クラスの巨大暴走族の総長になっている」と聞き、だったら自分もバイクに乗って新宿に行けば兄貴に会えるんじゃないか。そう思って中免を取って、バイクで新宿に出てきたときに、弟は交通事故で亡くなったそうです。

 そういう話も聞いていたので、俺も弟さんが思ったように、ヤクザかなんかになって新宿で目立っていれば、いつか親父と会えて認めてもらえるかもしれない、という期待も抱きつつ、17でヤクザとしての登録を終えて、歌舞伎町をウロチョロし始めたわけです。そしたら18ぐらいのとき、歌舞伎町のセントラルロードを仲間と歩いていたら、親父とバッタリ会いまして。

――そのとき、どんな会話を?

純士 連絡先を交換して、「夜に出てこい」と言われて、その晩、飲み屋で近況を語り合いました。そこからお互いヤクザということで、シノギの話とかも出てくるようになり、たまに会うようになったんですよ。

 親父とは組織は別でした。ただ、俺の組織の幹部も若かりし頃、ブラックエンペラーとケンカしていたなどの縁から、親父をみんな知っていました。普段は口もきけないような上の幹部の人たちが、われわれ親子の飲みの席に同席して、「なんだお前、遠藤さんの息子だったのか」「お父さんに心配をかけるなよ」などと声をかけてくれることも度々ありまして。今にして思えば、それは親父が作ってくれた“場面”なんでしょうね。そういう席を設けてくれたのは、もしかしたら守ってくれていたのかな、と思うんですよ。「俺の実子を安いチンピラみたいに扱うなよ」という意味だったと思うんです。

――だとしたら、お父様の優しさを感じますね。

純士 ただ、それが悪いほうに転がることもあって。親父が何かトラブルを起こすと、「息子を捕まえたら親父と話せるぞ」ということで、俺が追い込みをかけられる場面も出てきたわけです。それはさすがに背負いきれず、逃げ出す意味で「親父のことを俺に聞くな。あんなの親じゃねえ」と言っていた時期もありましたし、そうしたことが原因で、親父と殺し合いをしかねないほど憎み合った時期もありました。そんなこんなが重なって、いつしか再び疎遠になってしまったという感じです。

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