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「龍角散は中毒性があって危険!?」中国紙、日本の“神薬”に警鐘を鳴らすも人民は意に介さず

文=大橋史彦

中国のECサイトでは、多くのショップが大正製薬の「パブロンゴールドA」を扱っている(中国EC大手「京東集団(JD.com)」より)

 日韓関係の影響で日本を訪れる韓国人の数が激減している一方で、日本政府観光局(JNTO)の発表によると、8月の中国人観光客数は前年同月比16.3%増の100万600人と好調を維持。中国国内の景気悪化で消費力は弱まっているものの、日用品をはじめとする日本製品への人気は根強い。そのひとつが薬で、中国人の一部の間では「神薬」とあがめられている。ところが、中国ではそれを面白く思っていない人たちがいるようだ。

「澎湃新聞」(9月25日付)によると、浙江大学医学院附属第一医院の中国版LINE「微信(WeChat)」公式アカウントが、こんな投稿をした。

〈大正(製薬の)風邪薬、白兔止痛片(エスエス製薬の解熱鎮痛薬「イブA錠」のこと)……あなたはこの島国の神薬の“迷信”をまだ信じるのか? 真相を掘り起こそう〉

 同薬学部の専門家の主張によると、日本の薬は効き目が強すぎるというのだ。大正製薬の「パブロンゴールドA」に含まれる成分のうち、いずれも中国国内では目にすることはないという。そして、「風邪薬の多くの成分は、それぞれの調子の悪い症状を緩和するだけで、風邪の経過を短くするわけではない」と指摘。風邪をひいた時にはその症状に合った成分を選択すべきで、余計な成分は人体にとって副作用を引き起こすにすぎないと強調する。

 また、中国人に人気の「龍角散せき止め錠」についても言及。せきを鎮める作用のあるジヒドロコデインリン酸塩やノスカピンといった成分は、中国製の薬ではほとんど見ることがなく、特に前者には中毒性があるため、長期間使用するべきではないと警鐘を鳴らす。これが投稿されたのは9月23日だった。10月1日からの国慶節連休に日本を訪れ、“神薬”を爆買いする観光客を意識したネガティブキャンペーンだろうか。

 中国では食品や製薬における相次ぐ不祥事により、消費者は安全性に対して非常に敏感になっているため、この報道を受けて不買の動きが広がるかと思いきや、ネット上では意外な反応が多かった。「少なくとも私はイブを飲むとすぐに効果が現れる」「これだから国産の薬は売れない」「効果のある薬には副作用があるもの。効果が不明で副作用も不明な薬よりよっぽどいい」などと、日本の“神薬”への信頼は揺るぎない。

 中国の製薬業界が信頼を取り戻すまでの道のりは遠そうだ。

(文=大橋史彦)

最終更新:2019/10/03 20:00

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