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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.555

下腹部への強烈ボディブローが毎月襲ってくる!?  二階堂ふみ、伊藤沙莉の共演映画『生理ちゃん』

文=長野辰次

「男にも1年に一度でいいから、生理が来ればいいのに」と毒づく青子(二階堂ふみ)。生理ちゃんは黙って聞いているだけだった。

 大事な仕事を抱えていても、大切な試験を控えていても、“あれ”は問答無用でやってくる。Web漫画として2017年から連載がスタートした小山健の『ツキイチ! 生理ちゃん』が、二階堂ふみ、伊藤沙莉ら若手実力派女優が共演した映画『生理ちゃん』として実写化された。現代社会において、今なおタブー視されがちな“生理”をテーマにした作品として注目される。

 青子(二階堂ふみ)は出版社で働くワーキングガールだ。作家への原稿依頼から、ゲラの校正などテキパキとこなし、多忙ながら充実した毎日を過ごしている。ところが、“あれ”は唐突に現われた。月に一度の“生理ちゃん”である。青子の行く手を阻む生理ちゃん。「今は忙しいから」と無視して青子は走り抜けようとするが、生理ちゃんは青子をむんずと捕まえ、下腹部へ強烈なボディブローをお見舞いする。悶絶する青子。それでも青子は苦しみに耐えながら、任された仕事を片付けるしかない。

 悲劇はそれだけでは済まなかった。翌朝目覚めると、より巨大化した生理ちゃんが青子の上にのしかかっている。会社に行きたくない……。そんな気持ちを振り切り、青子はいつもより時間を要するメイクを施して会社へ向かうが、背中には無表情な生理ちゃんがへばりついている。どうやら、生理ちゃんの姿は、他の男性たちには見えないらしい。今月もまた1週間にわたって生理ちゃんと付き合わないといけないかと思うと、どんよりとしてしまう青子だった。

 まるでホラー映画『イット・フォローズ』(14)のような始まりだ。『イット・フォローズ』は“それ”と呼ばれる正体不明のクリーチャーに付きまとわれる人々の恐怖を描いた不条理ホラーだった。セックスを媒介にして“それ”は生きている限り、ずっと付きまとい続けてくる。不気味な“それ”に比べれば、ゆるキャラふうのキャラクターとなっている生理ちゃんだが、女性にとってはやはり憂鬱な対象でしかない。

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