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タレントの事務所移籍に“移籍金”制度導入で、関係者からは「根本的解決には程遠い」「忖度が増えそう」の声

文=日刊サイゾー

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 芸能界における移籍トラブルが問題視される昨今、大手芸能プロダクションが多数所属する「日本音楽事業者協会」(音事協)は、多くの事務所で使用される「統一契約書」を改定することを決定した。

 現在の統一契約書では、事務所がタレント育成にかけた費用を回収できていない場合、事務所側が契約を延長できる条項がある。つまり、タレントが事務所をやめたくても、簡単になやめられないケースも多く、事務所側が有利な契約になっているとの批判も多かった。

 そこで今回、音事協が統一契約書に加えたのは、タレントもしくは移籍先の芸能事務所が金銭を補償することで契約を終了できる、という条項だ。つまり、未回収の育成費に相当する“移籍金”を支払えば、事務所をやめることができる、という制度が新たに導入されるのだ。

 移籍金によってトラブルを回避しようという新制度。しかし、根本的な問題解消にはならないのではないかと疑問の声もあがっている。ある芸能事務所関係者はこう話す。

「まず、どこからどこまでを“タレントの育成費”とするかという問題があります。レッスンの費用のみを育成費とする事務所もあれば、タレントの生活費全般を育成費とする事務所もあるかもしれない。つまり、事務所側の“言い値”になる可能性も高く、法外な移籍金となるケースも考えられるわけです」

 また、すでに売れっ子になっていて、収入が多いタレントであれば、金に物を言わせて事務所をやめることも可能だろうが、収入が少ないタレントは移籍金を支払うことは簡単ではないだろう。

「まだ売れていないタレントの場合、新天地を求めて事務所をやめようと思っても、移籍金を捻出できずに泣き寝入りするなんていうケースは多そう。それに、無名である時点でおそらく育成費は回収できていないだろうから、売れていないタレントにこそ移籍金が発生してしまう矛盾がある。弱者に厳しい制度のように思えて仕方ありません」(同)

 いずれにしろ、今までに比べれば多少は移籍しやすくなりそうだが、それが逆効果になる可能性もある。別の芸能事務所関係者はこう話す。

「事務所をやめたタレントの仕事が減るのは、所属していた事務所からの圧力というよりも、芸能界というムラ社会のなかで“忖度”が働いた結果であることが多い。仮に移籍の自由度が高くなり、実際に移籍するタレントが増えたとしても、その結果、これまで以上に忖度が働いてしまう……なんてことは十分に考えられますよ。契約上の問題だけでなく、日本の芸能界の悪しき慣習こそを撤廃する必要があるでしょう」

 契約書の内容を少々改めたくらいでは、何も変わらないということ。芸能界の構造改革には、まだまだ時間がかかりそうだ。

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最終更新:2019/12/03 10:39
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