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政府が進める福島第一原発での「除染土」の再利用、「汚染水」の海洋放出と大気放出に異議あり!

文=日刊サイゾー

汚染水から取り除くことができないトリチウム

 汚染水は「多核種除去設備ALPS)」という装置を使って浄化されているのだが、トリチウムは取り除くことができない。このトリチウムは、極めて人体への影響が少ないとされている。実際、東京電力(以下、東電)が2013年2月28日に公表した「福島第一原子力発電所でのトリチウムについて」では、以下のように説明している。

 トリチウムの特性とは一般的に以下のとおり。

○化学上の形態は、主に水として存在し、私たちの飲む水道水にも含まれている

○ろ過や脱塩、蒸留を行なっても普通の水素と分離することが難しい

○半減期は12.3年、食品用ラップでも防げる極めて弱いエネルギーのベータ線しか出さない

○水として存在するので人体にも魚介類にも殆ど留まらず排出される

○セシウム-134、137に比べ、単位Bqあたりの被ばく線量は約1,000分の1

 ※Bq(ベクレル)とは放射性物質が1秒間に崩壊する原子の個数(放射能)を表す単位。

 つまり、トリチウムは水として存在し、体内に入っても排出されるので人体への影響は少なく、放射性物質としては12.3年と半減期が短い、食品用ラップで防げるベータ線した出さないものだということを強調している。

 しかし、トリチウムがセシウム-134、137に比べBqあたりの被ばく線量が少ないと言っても、ベクレルは放射性物質から放射線がどのぐらいでてくるのかを表す物理量であり、人体とどのように影響するのかを示すものではない。

 このトリチウム汚染水を海洋放出と大気放出で処理することについては、12月25日に記者会見を行った原子力規制委員会の更田豊志委員長も、「海への放出も大気への放出も基準を守って行われた場合、環境や健康、農水産物などへの影響は考えられない」とコメントし、問題がないことを強調している。

 さらに同委員長は、「放出先に海か大気のどちらを選ぶかは難しい選択だ。水を水蒸気にするための設備の規模にもよるが、かかる時間は、大気放出のほうがはるかに長いと思う」と述べ、海洋放出の可能性が高いことを示唆している。

 だが問題は、当初東電は強い放射能を持つ短寿命核種は時間とともに消滅し、ALPSなどにより除去が行われれば、トリチウムだけが残存した汚染水になるとし、「トリチウム汚染水」には他の核種は検出限界以下、または基準以下しか含まれていないと説明していたが、ALPSの不具合が相次ぐなどし、完全にトリチウム以外の放射性物質を除去できていないことだ。実際にはトリチウム以外に告知濃度限度を超えるヨウ素129、ルテニウム106、テクネチウム99、ストロンチウム90が過半数の測定で検出されている。

 つまり、東電は汚染水について“前科持ち”であり、「トリチウム汚染水は安全」という東電の言葉には懐疑的にならざるを得ないのだ。当然、こうしたトリチウムなど放射性物質を含む汚染水は、例えば海洋放出されれば魚類や海産物を通して人体に入り、人体に重大な健康被害を及ぼす可能性が強い。

 福島第一原発の汚染水については、海に流れ出たことで多くの風評被害が発生し、福島を中心に漁業関係者などが甚大な被害を受け、地元福島では、今回の汚染水処理の問題に対しては、強い反発が寄せられている。

 汚染土壌の問題も、汚染水の問題も、マスコミはほとんど追及をしていない。このため、これらの問題が国民に投げかけられることもなく、専門家の判断のみで実施に移されようとしている。今後は、正確なデータをもとに懇切丁寧な説明をもって、国民が本当に納得できる、十分な理解を得ることを重視して検討を進めるべきだろう。

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最終更新:2019/12/30 12:12
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