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1日30円の食費で生活していた貧困学生の死に、中国ネット民が大激怒!

文=廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)

ウーさんの闘病中の様子(百度百科)

 中国で、一人の女性の死が大きな注目を集めている。

「新京報」(1月15日付)によると13日、貴州省で24歳の女子大生、ウー・ホアエンさんが、極度の栄養失調が原因で死亡したという。死亡時、ウーさんの身長は135cm、体重は21.5kgと小学校低学年並みの体格で、全身は骨と皮だけのような状態となっていた。

 ウーさんは幼い頃に母親と死別、父親は重い肝硬変を患っていたため、一家はウーさんが高校1年生のときから、行政から貧困家庭に支給される毎月300元(約4,500円)の生活保護費で暮らすこととなった。極貧生活の中で、ウーさんは食費を一日わずか2元(約30円)に切り詰め、食事はいつも白米に唐辛子を混ぜただけのものだった。高校3年生になる頃には髪の毛はほとんど抜け落ち、身体に異常を来していたが、この頃、父親も死亡 。ウーさんは精神疾患を患う弟との2人暮らしとなった。さらに、弟の病気の治療費を工面するため5,000元(約7万5,000円 )の借金をしなければならず、極貧生活はさらに厳しいものとなった。

 そんな中、2019年10月にウーさんは肺水腫や腎性浮腫などを患い、緊急入院。それがきっかけで、壮絶な人生がメディアなどでも取り上げられ、行政や慈善団体がようやく救いの手を差し伸べるに至った。行政は緊急支援金として2万元(約30万円)を支給、公的機関である「中華少年児童慈善救助基金会」はウーさんのために募金運動を展開し、100万元(約1,500万円)を集めることに成功した。中国全土でウーさんへの支援の輪が広がり、懸命な治療が続けられたが、ウーさんは帰らぬ人となったのだ。

 寄付を募るクラウドファンディングを実施した慈善団体によると、ウーさんが昨年11月、自身の治療費として受け取った額は2万元のみだったことから、寄付金が不正流用されていたのではないかとの疑惑が浮上しており、ネットユーザーからは「この基金会は100万元を集めておきながら、本人に2万元しか支給してい なかった。あとの98万元をどうしたのか、ちゃんと説明しろ!」「行政は死にそうにならないと人助けをしないのか? こんな行政、存在している意味がない」「この基金会も行政の人間も、必ず裁かれなくてはいけない」と、いいかげんな金銭管理を行っていた基金会に対しても辛辣なコメントが多く寄せられている。

 経済成長が著しい中国だが、その裏では地域格差が深刻化している。亡くなったウーさんは、中国でも特に経済貧困層が多い貴州省の出身だった。北京市の1人当たりのGDP(国内総生産)が10万元(約150万円)である一方、内陸部で目立った産業のない貴州省は4万元(約6 0万円)と、非常に大きな格差があるのだ。さらに、医療制度が未発達な中国では、治療費を先払いする必要がある。そのため、医療の現場では治療費を工面できない貧困層が排除されるという現実もあるのだ。

 ウーさんの死をきっかけに、政府がなんらかの対策に動くことを期待したい。

廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)

廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)

明治大学卒業後、中国の重慶大学へ留学。メディア論を学び、帰国後は中国の社会問題についてウェブメディアを中心に執筆している。

最終更新:2020/01/20 18:00

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