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公営ギャンブル競艇界に闇が!? 八百長を生み出す「ボートレース」の報酬構造とは?

出走組合せ担当者をベテラン選手が恫喝?

「ボートレースの最上位クラスに当たるA1級のある有名選手は、テレビカメラやファンの前で愛想を振りまいていますが、裏では『俺に不利な“番組”を作りやがって』と、担当職員を怒鳴りつけたりしています。『番組』とは、出走の組み合わせのこと。成績が振るわずに引退を迫られているため、必死なんですよ。選手からの恫喝で『番組』の内容が変わることはないと思いますが、職員も人ですから何度も凄まれると手心を加えてしまうこともないとは言いきれないですよね……」(同)

 事故や八百長、出走組み合わせ担当者への恫喝など規律厳正な競艇界にもほころびが見え隠れする。そもそもボートレースは、審判や検査員、番組担当などが所属する運営側の競走会と選手が所属する選手会の主に2つの団体で構成される。これまで述べてきたのは選手会側の話だが、競走会側にも闇は存在するという。ほころびの責任を選手側にだけ帰するのは不公平だろう。

「ボートレースは現在、電話やネット投票のおかげで売り上げが右肩上がりなんですが、審判や検査員など競走会職員の給料には一切反映されていません。おいしい思いをしているのは、全国24のレース場にそれぞれひとりいる役員だけなんです。役員には、65歳の定年まで毎年1200万円の報酬が支払われます。早い人は50代前半から役員になるので、ざっと10年で1億円以上稼ぐことができるんです。

 一方で、選手の命に直接関わるレース場のレスキュー艇員は年収200万円程度のまま。あまりにひどい待遇に悩んだある若手職員が労働組合に入ろうした際、役員は高圧的な態度で迫り、断念させました」(同)

 ボートレースは国土交通省海事局が所管する公営ギャンブルで、そもそもは太平洋戦争で疲弊した造船業界の産業振興を目的として、旧運輸省が1952年に始めたものだ。法律に基づき厳格に運営されるレースと軍隊並みの生活で規律を叩き込まれた選手であっても、時に八百長という悪魔のささやきに耳を貸してしまうこともある。

 国は実現前から収賄で汚れたカジノIRを審議する前に、既存の公営ギャンブルの実態をいま一度見つめ直す必要があるのではないだろうか。

金沢健太(ジャーナリスト)

明治大学卒業。"日本一厳しい学校"で日本の昭和体質に長年の疑問を感じており、令和に入り一念発起。ライターとして独立し、古い日本体質、権力に対して疑問を投げ掛けた記事を手掛ける。

かなざわけんた

最終更新:2020/03/17 10:15
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