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血のついたベッドに黄色く濁った水……中国「外国人隔離措置」の実態

文=廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)

ホテルの客室で撮られた布団の写真(東網)より

 新型コロナウイルス禍の終息目処が立ったとする中国がいま最も恐れているのは、同ウイルスの逆輸入だ。海外から中国に帰国した市民や、中国に入国した外国人から新型コロナウイルスが検出されるという事例が増える中、北京や上海や広東省などの都市部では、海外からの入国者全員を隔離措置の対象とすることを発表している。中国国内に自宅がない外国人の対象者は、当局が指定するホテルに2週間隔離されることとなるのだ。感染拡大防止の観点から言えば有効とされる措置なのだが、対象者からは不満の声が聞こえてくる。

 香港メディア「東網」(3月29日付)は、天津市内のホテルで隔離措置を受けている外国人留学生について、隔離環境があまりにも不衛生であると報じている。記事によると、同市に留学しているイギリス人女性は3月26日、イギリスから天津に戻り、天津浜海国際空港に降り立った。その後、当局によって隔離先である天津奥藍際徳国際ホテルに連れて行かれ、2週間の隔離生活を送ることとなった。

 しかし、ホテルの部屋に到着した女性は、驚愕の光景を目にすることになる。部屋には異臭が漂い、布団には虫の死骸や血液が付着した痕が残っていたり、尿か食べこぼしの水分が染み込んだような痕もあったというのだ。部屋の壁は変色し、蛇口をひねる黄色く濁った水が流れ、トイレにも濁った水がたまっている状況だった。

 中国では、隔離対象者がこうしたホテルで隔離生活を送る際、宿泊費用と食費は個人負担tなる。この女性も、1日当たり240元(約3,800円)の宿泊費のほか、食費として50元(約800円)を2週間支払わなくてはならない。にもかかわらず、明らかに不衛生な客室で隔離措置を行う当局には不信感を覚えざるを得ないだろう。部屋の状況から、前の利用者が退室した後、布団の交換などは行われずに、次の隔離対象者が入室させられているようだ。

 さらに、部屋では感染予防でエアコンの使用はできず、常に窓が開けられて換気されているため、夜間5℃近くまで下がる室温の寒さに耐えられず、風邪をひき発熱する隔離対象者も多くいるという。

 ホテル関係者によると、感染拡大予防のため、隔離対象者の客室にホテルスタッフが入室することは認められておらず、清掃や布団の交換などができない状況だという。また、客室は政府によって借り上げられているため、何か問題があれば客室を管理している政府の担当部門に問い合わせる必要があるという。

 感染拡大を予防するための隔離措置だが、この環境では感染者が増える可能性すらある。中国政府は自国の感染拡大対策について自画自賛しているが、こうした現実にしっかりと目を向けてもらいたいものだ。

廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)

廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)

明治大学卒業後、中国の重慶大学へ留学。メディア論を学び、帰国後は中国の社会問題についてウェブメディアを中心に執筆している。

最終更新:2020/04/11 16:00

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