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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.588

レイシズムが蔓延する社会事情とその解決策は? 短編版がネットで無料配信中『SKIN/スキン』

文=長野辰次(ながの・たつじ)

実話をベースにした長編映画『SKIN/スキン』。全身にタトゥーを施した白人至上主義者たちの実情がリアルに描かれている。

「息ができない」。うつ伏せにさせられた黒人男性はそう訴えたが、白人警官はかまわずに膝で首を圧迫し続けた。2020年5月25日、米国ミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイドさんが死亡する事件が起き、人種差別に抗議するデモが全米だけでなく、世界各地へと広まりつつある。日本でも、近年はヘイトスピーチや入国管理局での難民虐待が問題視されている。現代社会に深く根づくレイシズムの実情を生々しく描いたのが、実録映画『SKIN/スキン』だ。スキンヘッドに全身タトゥーだらけの米国レイシスト集団の内情を伝えるだけでなく、なぜ彼らは過激に白人至上主義を叫ぶのかという社会背景や、どうすればこの問題は解決できるのかにまで言及している点でも注目される。

 映画館でハードな社会派ドラマを鑑賞することに躊躇する人に、まず気軽に観てほしいのがネット上で無料配信されている短編映画『SKIN』(18)だ。上映時間はわずか21分。映画『SKIN/スキン』の公式HPにアクセスすれば、すぐに視聴することができる。無料配信だと高を括って観ると、ガツンとやられる。米国における人種問題を端的に捉え、またジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』(17)や『アス』(19)のような衝撃サスペンスとしての面白さがある。非常によくできたショートフィルムとなっている。

 短編映画『SKIN』は2019年の米国アカデミー賞短編映画賞を受賞するなど高く評価され、ガイ・ナティーヴ監督が満を持して完成させたのが長編デビュー作『SKIN/スキン』である。偏見と闘うバレエ少年の成長談『リトル・ダンサー』(00)に主演したかつての名子役ジェイミー・ベルが、全身タトゥーだらけのいかついレイシストを演じてみせている。共演も格差社会からの脱出劇『パティ・ケイク$』(17)で女性ラッパーを演じたダニエル・マクドナルド、マーティン・スコセッシ監督のオスカー受賞作『ディパーテッド 』(06)のヴェラ・ファーミガといった実力派がそろい、ドラマを盛り上げている。

 イスラエル出身のガイ・ナティーヴ監督は、米国社会に渦巻くレイシズム問題を非常に客観視して捉え、人種間のトラブルが多発しているのは社会構造や経済事情に元凶があることを明確にしている。米国の歴史に詳しくない日本人が見ても、とても理解しやすい。

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