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ウイグル人女性の頭髪を強制収用? 米税関が中国製人毛カツラ13トンを押収

米税関・国境警備に押収されたカツラ

「香港国家安全維持法」の施行で香港が揺れるなか、相変わらず中国政府から酷い仕打ちを受けているのがウイグル人だ。「香港経済日報」(7月2日付)などによると、米税関・国境警備局(CBP)は7月1日、6月17日にニュージャージー州ニューアークの港で中国・新疆ウイグル自治区から輸送された13トンのカツラやつけまつ毛を押収したことを発表した。金額にして80万ドル(約8,600万円)。それらには本物の人毛が使用されており、強制労働や児童労働など人権侵害の疑いがあるという。

 カツラを製造したのは同自治区洛浦県美馨髮製品有限公司で、5月1日にも商品を押収されている。資料によると刑務所の受刑者を生産力として活用しているとのことだが、再教育キャンプに連れてこられたウイグル人に働かせていた可能性が指摘されている。カツラは、彼女たちの髪の毛で作られたのだろうか。

 米国の関税法(Tariff Act of 1930)では、強制労働によって生産された商品の輸入は禁止されているが、実際にそれが理由で押収されたのは、過去90年間で54回しかない。しかし、その75%が中国製だという。ウイグル人の強制労働を巡っては、今年3月にナイキの韓国系サプライヤーが行っていたことをお伝えしたばかりが、押収されたのは氷山の一角に過ぎない。

 事件を受け、スイス・ジュネーブにある中国政府の国際機関代表部常駐代表、陳旭大使は1日に開催された第44回国連人権理事会で「新疆関連の問題はいわゆる人権問題や民族問題、宗教問題ではなく、反テロ、反分裂の問題だ」と反論。逆に米国に対し「こうした国家こそ構造的人種差別や排外主義、憎悪の発言、警察による暴力、移民の権利に対する度重なる侵害など深刻な人権問題を抱えている」と批判している。どっちもどっちだが、13トンのカツラは、米中の新たが火種になるかもしれない。

https://china.hket.com/article/2684663/【中美角力】美海關查扣13噸新疆真人毛髮製品%E3%80%80指生產過程涉侵犯人權

中山介石(ライター)

1970年、神奈川県横浜市生まれ。日本の食材をハンドキャリーで中国に運ぶ傍ら、副業として翻訳・ライター業に従事している。

なかやまかいすけ

最終更新:2020/07/19 08:30
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