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石原さとみ主演『アンサング・シンデレラ』の“できすぎた”薬剤師に医療従事者から疑問の声

『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』公式サイトより

 石原さとみの主演ドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ系)。原作は荒井ママレの『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』。医療ドラマでは異例となる「病院薬剤師」にスポットライトを当てたストーリーに注目が集まっている。

 『アンサング・シンデレラ』初回放送の平均視聴率は10.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。木曜劇場としては2年ぶりとなる2桁発進で、出だしは好調だ。視聴者からは「薬剤師ってかっこいい」「1話目から号泣した」と称賛する声や「薬剤師を取り扱ってくれてありがとう」と、石原演じる主人公・葵みどりと同じ立場で働く人から感謝の声が上がるなど反響を呼んだ。

 その一方で、一部の医療従事者から非難や疑問の声が上がっていたのも事実である。薬剤師が心臓マッサージをしたり、怒る患者をなだめたり、病院を走り回って患者を探したりといった描写に対して、ネット上には「アンサング・シンデレラの葵の仕事は、大体看護師がやってる仕事」「総合病院で働く看護師ですが、こんな薬剤師いません」という声も。もちろん病院によるが、看護師から見ると、『アンサング・シンデレラ』で描かれる薬剤師たちは“できすぎた”薬剤師のようだ。

 また、医師が悪者として描かれていることに違和感を覚える声も。第一話では、疑義照会をされた医師がみどりに大きな声で嫌味を言ったり、患者の病気に気付いて緊急的に対処するみどりを怒鳴りつけたりする描写があった。これに対しては「薬剤師を上げるために医師や看護師を下げすぎ」「こんな医師ばかりじゃないよ」との意見も。ドラマにヒール役は必要不可欠であるものの、コロナ禍で懸命に働く医師をヒール役に設定し、少々大げさに描いたことに批判が集まった。

 他にも「医療安全は人を罰するところじゃない」「調剤室こんなに広くない」などさまざまな声が集まっているが、医療ドラマにツッコミ所はつきもの。実際の医療現場はパフォーマンスではないため、ドラマとしての見応えを追求するには、少々の脚色は避けられない。とはいえ、原作の『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』は、リアリティが高いことで医療従事者からも評判の漫画だ。どれだけ原作を忠実に再現しつつ、ドラマチックに描けるかが今後の明暗を分けるのかもしれない。『アンサング・シンデレラ』制作陣の腕の見せ所だろう。

■番組情報
木曜ドラマ『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』
フジテレビ系/毎週木曜22:00~
出演:石原さとみ、田中圭、西野七瀬、真矢ミキ、成田凌、 桜井ユキ、井之脇海、
金澤美穂、迫田孝也、池田鉄洋、でんでん ほか
原作:荒井ママレ
脚本:黒岩勉
演出:田中亮、相沢秀幸
音楽:信澤宣明
プロデュース:野田悠介
制作著作:フジテレビ第一制作室
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/unsung/

早乙女りこ(ライター)

東京生まれ神奈川育ちのフリーライター。映画・ドラマはジャンル問わず幅広く鑑賞しており、物語の展開を予想したり、役者の演技を複数作品で見比べたりすることが趣味。

さおとめりこ

最終更新:2020/07/23 09:16
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