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NHK大河ドラマ『麒麟がくる』放送再開を待つ間に!

鎧兜100万、馬15万、出陣費用は総額500万!? 大河ドラマ“合戦シーン”で見る戦国時代の金勘定

文=堀江宏樹(ほりえ・ひろき)

大河ドラマに描かれるような馬はいなかった? そのお値段は…

鎧兜100万、馬15万、出陣費用は総額500万!? 大河ドラマ合戦シーンで見る戦国時代の金勘定の画像2
『麒麟がくる』公式ホームページより

 また、馬も1頭あたり、現代の貨幣価値では最低でも15万円ほどしました(『朝倉孝景十七ヵ条』の記述による)。また従者を3~4人ほど連れて上級武士は出陣しました。となると、自身の食事代はおろか、従者たちの鎧兜や武器、食事、馬の餌なども上級武士がすべて負担しなくてはなりません。

 馬の話ですが、さきほど「1頭あたり」とわざわざ書いたのも理由があります。普通は何頭も用意しなくてはならないからです。

 鎧兜着用の男性の総体重は、いくら戦国時代の男性の平均身長は低く、痩せていたとはいえ、100キロ程度にはなっていますからね。大河ドラマなどに出てくるサラブレッドのような馬は当時の日本にはいません。小柄なわりに体力・持久力は結構あったといいますが、当時の日本の馬が全力疾走できる時間は案外短く、10~20分程度だったといわれるのです。

 史実の戦国時代の戦において、騎馬武者がさっそうと現れ、相手方の騎馬武者と戦うのは開戦後のごく初期段階がメインでした。これも騎馬武者のまたがる馬の体力的な問題が色濃く反映されています。

 ですから、スピードが命なんですね。騎馬の上級武士たちが「戦が始まった!」という瞬間から駆け出していくのは、ごく自然な論理なのでした。

 そして、倒した相手の持ち物の所有権は、基本的に自分に移ります。同程度の身分=自分と同程度に投資している武将と戦うのが戦国のエチケットではあります。しかし、身分が高いほど、経済的にも価値のある相手と戦えるので、武勲(編註:戦争で立てた功績)をあげればあげるほど、身分もあがり、さらに儲けることができたのでした。こうした命のやり取りこそが、戦国の世の主流ビジネスだったのです。

堀江宏樹(ほりえ・ひろき)

堀江宏樹(ほりえ・ひろき)

1977年、大阪府生まれ。作家・歴史エッセイスト。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業。日本・世界を問わず歴史のおもしろさを拾い上げる作風で幅広いファン層をもつ。2019年7月1日、新刊『愛と欲望の世界史』が発売。好評既刊に『本当は怖い世界史 戦慄篇』『本当は怖い日本史』(いずれも三笠書房・王様文庫)など。

Twitter:@horiehiroki

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最終更新:2020/08/10 02:39
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