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『麒麟がくる』向井理のチョンマゲ頭は“変わり者”の証? 戦国ヘアースタイル事情を紐解く

野郎頭と冠、そして蹴鞠のヒミツ

『麒麟がくる』向井理のチョンマゲ頭は変わり者の証? 戦国ヘアースタイル事情を紐解くの画像3
蹴鞠

 野郎頭で結われる「髷」は、固くて小さいので、冠を固定できないのですね。だから、紐を使うしかないのですが、あの紐は「懸緒(かけお)」と呼びます。もともとは冠をかぶった状態で、蹴鞠(けまり)をするときのアイテムです。見た目は良くても、礼儀作法上、実は略式となります。

 掛緒には「紐」ではなく、和紙をよじって作った「こより」を使うのが正式なんですね。紐は、いうなればスポーツ用品のような扱いですから。

 さらに紐を使うには、「蹴鞠の家」のひとつだった飛鳥井(あすかい)家にお金を渡し(いわば特許代)、帝にも紐の使用許可を得なければいけないのでした。想像以上にお金がかかって煩雑だったのです。

 コロナの流行終焉を願い、京都の北野天満宮が比叡山の僧侶の方々と共同で「北野御霊会(きたのごりょうえ)」の儀式を約550年ぶりに執り行ったというニュースを先日見ましたが、この時の北野天満宮の神職の方は紐ではなく、こよりを使って冠を頭に固定なさっておられ、「さすが!」と感じ入ったものです。

堀江宏樹(作家/歴史エッセイスト)

1977年、大阪府生まれ。作家・歴史エッセイスト。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業。日本・世界を問わず歴史のおもしろさを拾い上げる作風で幅広いファン層をもつ。原案監修をつとめるマンガ『La maquilleuse(ラ・マキユーズ)~ヴェルサイユの化粧師~』が無料公開中(KADOKAWA)。ほかの著書に『偉人の年収』(イースト・プレス)、『本当は怖い江戸徳川史』(三笠書房)など。最新刊は『隠されていた不都合な世界史』(三笠書房)。

Twitter:@horiehiroki

ほりえひろき

最終更新:2023/02/21 12:10
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