『鬼滅の刃』劇場版を“キング・オブ・アウトロー”が予備知識ゼロで斬る! 瓜田純士「俺もかつては鬼だった」

文=瓜田 純士(うりた・じゅんし)

杏寿郎の母ちゃんに、頬をはたかれた気がしました

純士 いい要素を盗んだだけで売れていれば世話はないんで。そんなのは10分の1程度の話であって、残り9割はストーリーの力。ストーリーがめちゃくちゃしっかりしているから売れているんですよ。バトルシーンだけの映画なら、ここまでは感動しないもん。

 とはいえバトルシーンも、説明台詞が長かったことを除けば、すごくかっこよかったですけどね、「パンチ→キック→光線」みたいな流れを延々とループするだけのアニメも多いけど、この作品にはそういう手抜きが一切なかった。それに、『ドラゴンボール』やハリウッド映画みたいに、必殺技一発でドッカーンと終わる、みたいな戦いじゃなかったのもよかったです。上には上がいる世界で、時には相手にハメられたり、ビビって尻込みしてしまう場面があったりする。未熟だからこそ面白いんです。「え? この子ら、こんなに弱いのに主人公で大丈夫?」というハラハラ感や、そこからの成長ぶりを楽しめるのもまた、ヒットの要因かもしれませんね。

――この映画の中で、最も印象に残った台詞は?

純士 杏寿郎の母ちゃんが、杏寿郎に言った台詞が最高でした。「人より秀でたものを持って生まれたのなら、それは自分のためではなく、世のため人のために使いなさい」みたいな台詞。あれを聞いたとき、俺は思わず「わかりました!」と答えそうになっちゃいましたよ。

麗子 確かにウチの旦那にも、杏寿郎の爪の垢を煎じて飲ませたいわ。純士ってスポーツジムに通って、重いダンベルを率先して持ち上げてるくせに、買い物帰りの荷物は「重たい、重たい」と言って持ちたがらないんです。その筋肉はなんのためにあるの? って言いたいです。

純士 すべては自分のために……と思って俺は生きてきたけど、今日で目が覚めましたよ。杏寿郎の母ちゃんに、頬をはたかれた気がしました。ガツーンときましたね。今日はあの母ちゃんにすべてを持っていかれた、と言っても過言ではないです。

――麗子さんは、この作品からどのような教訓を得ましたか?

麗子 この映画のテーマはズバリ、「絆」やね。今の世の中、人間関係が希薄になりつつあるし、殺人事件の大半は親族間で起きているんです。なので、「家族や仲間との絆を今こそ固めろ」というメッセージが、この作品には込められているんじゃないかと思いました。大切なことを改めて教えてくれてありがとう! 私が地球上の全人類を代表して、作者にお礼を言いたいです。

純士 なんでウチの嫁が全人類の代表なんだよ(笑)。俺は杏寿郎の母ちゃんに対しては「目覚めさせてくれてありがとう」とお礼を言いたいけど、作者に対しては「お前、めちゃくちゃ惜しいんだよ」と言いたい。「お前、あと一歩だよ。あと一歩、足りないところを教えてやるよ」と。

麗子 なんなんそれ? 偉そうに。

純士 炭治郎と禰豆子の絆も感動的だったし、杏寿郎と母ちゃんとのシーンも感動的だった。そこまで愛に溢れた作品だったからこそ、鬼の身体をズタズタに斬るのが可哀想に思えたんですよ。相手が鬼だったらそこまでしていいのか? と。

 俺が作者だったら、柱と呼ばれる鬼殺隊の上層部の人間が、本当に心を込めて一太刀した場合は、その愛が鬼に伝わって、鬼が人間に戻れる、みたいな輪廻転生的なストーリーにしたと思う。

麗子 それがあかんねん。

純士 でもそれがないと、俺は鬼の味方をしちゃうよ。自分が鬼だったので。

麗子 それがあかんねん。

純士 って言ってる嫁は、まだまだ青いね。

麗子 お前がまだまだ青いねん! 今は特にコロナ禍でな、自殺がむちゃくちゃ多いやろ? そんな中、輪廻転生があると思わせたら、ますます自殺者が増えんねん。

純士 いや、現実にはできなくても、アニメだったらそれができるわけで。

麗子 あかん! 今の子どもはアニメと現実を同化させちゃうから。

純士 だからって、鬼の身体をあんなに残酷に斬っていいのか? それこそ杏寿郎の母ちゃんの教えに背くんじゃないかと。

麗子 ええねん、ええねん。それでええねん。

純士 人間に生まれ変わる。そして鬼殺隊のメンバーになる、とかでいいじゃん。

麗子 あかん、あかん、あかん! 命っていうのは一生に一個もんやねん。命の大切さを教えなあかんねん。

純士 その命が鬼にもあるわけですよ。どうしてそんなに無慈悲なことを言うかなぁ。「私は虫を平気で殺せる女です」と言ってるも同然だよ?

麗子 ウチは虫を殺さへん。虫は悪いことしてへんから。でも少年法とか考えてみぃな。

純士 俺は今、アニメの話をしてんの! 話にならないわ……。

麗子 悪いことをしたらそれなりの処罰は必要やねん。

純士 あのね、最後のデビルマンみたいな鬼(猗窩座)は、悪いことをしているというより、純粋に男の勝負をしたくて杏寿郎と戦っていただけなんだよ。

麗子 そんなん言うてるから、いっつも純士は人に騙されるねん。

純士 「この作者は甘ちゃんだな。結局ここに優しさが出ちゃうのかよ」という人間臭さが俺は欲しかった。「問答無用で悪を斬れ!」みたいな話は面白くないですよ。麗子の発想だったらせいぜいアジア止まりだけど、俺のひねりが加われば全世界で愛される作品になるはず。

麗子 あかん! 中途半端や! 白黒はっきりささんとあかんねん!

(夫婦ゲンカがヒートアップしてきたため、トイレ休憩を挟んで話題をチェンジ)

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