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秋元康の“傑作”ドラマ『共演NG』今期最低記録か…視聴率低迷の3つの理由

『共演NG』公式サイトより

 10月に放送開始された『共演NG』(テレビ東京系)、第2話の視聴率は4.1%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)と苦戦中だ。企画・原作に秋元康、脚本に大根仁、キャストに中井貴一鈴木京香と骨太の作品であるにもかかわらず、なぜ視聴率が伸び悩んでいるのだろうか。その理由を、『共演NG』初回放送から視聴している筆者なりに分析してみた。

①放送局がテレ東だから

 もはやドラマ内でもネタにしているが、『共演NG』が放送されているテレ東の月曜22時のドラマ枠は、平均視聴率4~5%とかなり低め。以前この枠は、働く人をテーマにした「ドラマBiz」が設置されていたが、視聴率が振るわず2020年6月をもって廃止。その後新設された「ドラマプレミア10」の第1弾が、『共演NG』というわけだ。既存のドラマ枠の廃止から『共演NG』の放送開始まで、同枠では週替わりでバラエティ番組を放送していた。その間に視聴者の層が変わってしまったことも要因のひとつではありそうだ。つまり、そもそも放送枠の視聴率が低かったことに加えて、その貴重な視聴者すらも数カ月のブランクで離れてしまったというわけである。

②“秋元ドラマ”への不信感

 秋元といえば、企画・原案を手がけた『あなたの番です』(日本テレビ系)の最終回で19.4%という高視聴率を記録したことが記憶に新しい。しかしその反面、視聴者が心待ちにしていた肝心の結末を有料動画配信サイト「Hulu」にて公開したことで批判が殺到。秋元は、過去に同様の手口を、日本テレビ系のドラマ『愛してたって、秘密はある。』『リモートで殺される』でも実施しており、3度に渡る有料サイトへの誘導に「またやられるかも」と思ってしまうのは仕方のないことだろう。いずれも内容が面白く、ラストの展開を楽しみにしていただけに、落胆の度合いが大きいのだ。

③キャストが実力派(=地味めの役者)揃い

 主役の中井と鈴木をはじめ、リリー・フランキー、斎藤工、猫背椿など圧倒的実力派が勢揃いする『共演NG』。演技力に関しては申し分ないのだが、いわゆる浜辺美波や中村倫也のような“今をときめく俳優”として分かりやすいキャストがいないことも、ひとつの理由なのではないだろうか。事実、『あな番』も『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)以降人気が急上昇していた田中圭がメインキャストで登場しており、それが取っ掛かりとなって観始めた視聴者も少なくないはず。ただ、旬の俳優が出ていればいいというわけではなく、田中が出演した『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ系)の視聴率は右肩下がりであった。“旬の俳優”と“内容の面白さ”、2つの要素を両立して初めてヒットドラマが生まれるということを実感させられる。

 以上3点が、筆者が分析した『共演NG』視聴率低迷の理由だ。とはいえ、『共演NG』のストーリーやひねりの効いた小ネタは面白く、全体的に粋なドラマだと感じる。SNSでも絶賛の声が数多く集まっており、今後口コミで広がっていく可能性も十分にありそうだ。引き続き、今後の展開と視聴率の動向を見守っていきたい。

■番組情報
『共演NG』
テレビ東京系/毎週月曜日22時~
出演:中井貴一、鈴木京香、山口紗弥加、猫背椿、斎藤工、リリー・フランキー、里見浩太朗、堀部圭亮、細田善彦、小澤廉、若月佑美、小野花梨、小野塚勇人、森永悠希、小島藤子、岡部たかし、迫田孝也、岩谷健司、瀧内公美、橋本じゅん
企画・原作:秋元康
監督:大根仁
脚本:大根仁、樋口卓治
プロデュース:稲田秀樹、祖父江里奈、合田知弘、浅野澄美
音楽:堀込高樹(KIRINJI)
主題歌:Novelbright 「あなたを求めただけなのに」
制作:テレビ東京/FCC
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/kyouen_ng/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2020/11/09 11:00
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