スタンダップコメディを通して見えてくるアメリカの社会【14】

『サタデー・ナイト・ライブ』トランプ敗北をいじりまくりで、米国が歓喜の渦に!デイブ・シャペルするどい一言「分断を癒すとき」

文=Saku Yanagawa(サク・ヤナガワ)

デイブシャペルがトランプ当選時に語った言葉とは?

 その2016年11月8日のモノローグの最後に、彼は真剣な表情で観客に語った。

「いいか、これはジョークなんかじゃない。俺は先日バラク・オバマに招かれてホワイトハウスに行ってきた。そこには歴代大統領の写真が、すべて飾られてるんだ。俺たち黒人はこれまでずっと公民権を剥奪されてきたけど、やっとこうして黒人の大統領が誕生したと思ったらこの国に誇りを持てた。きっとこの国の未来を明るくすることはできる。だからおかしいことかもしれないが、俺はトランプに期待してみる。奴にチャンスを与えたい。この国に本当の平等をもたらせるように」
 
 それから4年間が過ぎた2020年。白人警官による黒人の殺害は後を絶たず、全米での大規模な暴動へと発展してしまった。また宗教や政治での分断も4年前より深まり、確実に状況は悪化している。

 そして、デイブが言及するように、黒人のみならず白人市民にも不安や痛みは及んでいる。20年、アメリカでは初めて白人の平均余命が下がったと報じられた。研究者たちは精神的不安定からのドラッグ中毒や自殺が原因だと言う。
 
 そして、4年前のあの日と同じように、マイクをぎゅっと握り締めるとデイブは、もう一度客席に向かって語りかけた。

「だから、意見の違う人を憎むのはもうよそう。他者を憎むのももうよそう。これからは赦し合う時代なんだ。あなたという存在の中に喜びを見つけていこう」

 会場をピンと張りつめた空気が支配し、そして全員が彼のことばに耳を傾けた。そして、このモノローグを終えたレジェンド・コメディアンにこの日一番の拍手が送られた。

 街を埋め尽くした歓喜する人々と、この日の会場で大きな拍手を送ったオーディエンス。4年後、彼らをどのような社会が待ち受けているのだろう。

 バイデンはその日の勝利演説の中で、こう語った。

「今こそアメリカ国民が団結し、分断を癒すときです」

Saku Yanagawa(サク・ヤナガワ)

Saku Yanagawa(サク・ヤナガワ)

米シカゴを拠点に活動するスタンダップコメディアン。年間300本以上のステージに立ち、米以外でもこれまで10カ国以上で公演をしており、2018年にはワールドツアーを敢行。各国で開催されるフェスにもヘッドライナーとして多数出演。日本ではフジロックやビルボードに出演。

Instagram:@saku_yanagawa

【Saku YanagawaのYouTubeチャンネル】

最終更新:2020/11/23 08:52
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