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旅する作家・カルロス矢吹の『世界のスノードーム図鑑』

旅する作家・カルロス矢吹による動物の交尾やマリファナをモチーフにした仰天スノードームの世界

スノードームを眺めていると“あの時”へタイムスリップできる

旅する作家・カルロス矢吹による動物の交尾やマリファナをモチーフにした仰天スノードームの世界の画像4
クリスマスといえばスノードームですね…。

 さらに、スノードームを通して気づくことも少なくない。

「スノードームはフランスのパリが発祥で、そこからヨーロッパ全体に広がっていきました。だから、かつての植民地などヨーロッパ文化の影響圏の国なら簡単に手に入ります。一方、中国やヨーロッパから植民地支配されなかった東南アジアの国などではそんなにメジャーじゃない。

 実は日本もスノードームの普及率はヨーロッパと比較するとそんなに高くないんです。その理由はどちらかというと、経年劣化で水が濁った場合などに返品対応が大変で商売にしづらいから。ヨーロッパの人たちはおおらかでそのあたりをあまり気にしないので、スノードームから欧州の人と日本人の気質の違いなどがわかって面白いですね」

 さて、あらゆる分野でコレクター癖を発揮する矢吹氏にとって、スノードームを集めることの魅力とは何なのか。

「スノードームは“時の流れが生まれるほとんど唯一のインテリアである”ということです。僕はスノードームマニアではなく旅先の土産物屋にあるものをひたすら買うタイプなんですが、ひっくり返して雪を舞わせれば、ガラスの中で時間の流れが生まれる。すると、そこで過ごした時間がフラッシュバックし、現地にワープ、タイムスリップできるんです。それがスノードームの一番の魅力だと思っています」

 コロナ禍で海外旅行が難しくなった今、この本を手に取りスノードームを通して世界の文化を垣間見るのもいいだろう。そして、この災厄が治まって再び旅行できることになったら、本書を参考に、自分だけの旅の思い出の残し方を見つけるのもまた一興かもしれない。

●プロフィール
カルロス矢吹(かるろす・やぶき)
1985年宮崎県生まれ。ライター、構成作家。大学在学中より、グラストンベリーなど海外音楽フェスティバルでスタッフとして働き始める。以降、日本と海外を往復しながら、ライター業やラジオ・テレビの構成を担当。コンサート運営、コンピレーション編集、美術展プロデュースなど、アーティストのサポートも行う。2012年より、日本ボクシングコミッション試合役員に就任。著書に『アフター1964東京オリンピック』(小社刊)『アムステルダム 芸術の街を歩く』(大和書房)ほかがある。

武松佑季(ライター)

1985年、神奈川県秦野市生まれ。雑誌ライター、編集者。東京ヤクルトファン。

たけまつゆうき

最終更新:2020/12/02 15:00
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