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日本版カジノへ着々…政府がIR基本方針を決定、コロナ禍で批判も

文=鷲尾香一(わしお・こういち)

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野望(写真/GettyImagesより)

 政府は12月18日、特定複合観光施設区域整備推進本部を開催し、カジノを含む統合型リゾート(以下、IR)「整備のための基本的な方針」を決定した。2020年代後半の開業を目指す。

 政府は2030 年に訪日外国人旅行者数を6000万人、訪日外国人旅行消費額を15兆円とすることなどが観光先進国の実現に向けた目標と位置付けている。また、「観光立国推進基本計画」では、アジア主要国における国際会議の開催件数に占める割合を2020年までに3割以上とし、かつ、アジア最大の開催国の地位を維持することを目標として掲げている。

 IRはこれらの政府目標に資するものとして位置付けられている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、IR誘致を希望する自治体からの申請期間は、当初予定よりも9カ月遅れ、2020年10月~2022年4月となった。このため、開業時期は当初目標としていた2020年代半ばから2020年代後半にずれ込む。

 IRの選定は申請のあった自治体の計画を有識者が審査し、「上限数である3を超えない範囲内で優れたものを認定」する。推進本部の会合で菅義偉首相は、「IRはわが国を観光先進国とするために重要だ。公正性、透明性を確保し、国民に理解をいただきながら必要な準備を着実に進めたい」と意欲を示した。

 今回決定された「整備のための基本的な方針」には、IR認定の公正性および透明性の確保のために、「国及び都道府県等は、民間事業者がIR事業者に選定されることを目指した働きかけに対し、収賄等の不正行為を防止するとともに、公正性及び透明性の確保を徹底
するための以下のような「IR事業者等との接触ルールの基本事項」が盛り込まれている。

(1)面談は、原則として庁舎内において、複数の職員等により対応すること
(2)職員にあっては、事前に面談の日時及び相手方について、また、事後に面談の内容について、上司への報告を行うこと
(3)面談において、特定のIR事業者が不当に有利又は不利になることにつながる行為をしないこと
(4)面談の記録を作成し、一定の期間保存すること
(5)電話、メール、FAXによるやり取りは、日程調整等の事務連絡その他の必要な範囲にとどめること
(6)それぞれの行政機関におけるIRに関する事務に係る担当職員から最高責任者までを接触ルールの対象とすること
(7)IR事業を行う者及びカジノ関連機器等製造業等を行う者並びにこれらを行おうとする者等を接触ルールの対象とすること

 以上の基本事項を踏まえて、「IR推進本部、国土交通省およびカジノ管理委員会は、それぞれの役割等を踏まえ、IR事業者等との接触ルールを適切に策定するもの」としている。

 だが、IR事業絡みでは、すでに秋元司衆議院議員が収賄罪で起訴されている。秋元被告はIRを推進する超党派の国会議員による議員連盟「国際観光産業振興議員連盟」のメンバーでもあった。

 すでに、IR事業を巡ってはこうした刑事事件が起こっているにも関わらず、上記の接触ルールは通常の公共事業等の入札での注意事項程度のものでしかない。国会議員との接触に関するルールが作られているわけでもなければ、IR候補地の選定を行う「有識者等により構成される第三者委員会」の内容が不透明な上、この委員に対する接触ルールも規定されていない。

 何よりも、ネット上などでは、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないこの時期に「なぜ、今なのか」「今進めるべきはIRではなく、新型コロナウイルス対策」など政府方針に批判的な声も多くあがっている。

 なお、現時点でIR誘致を表明しているのは、神奈川県横浜市、大阪府・大阪市、和歌山県、長崎県の4地域だが、横浜市などではIR誘致反対運動も起きている。

鷲尾香一(わしお・こういち)

鷲尾香一(わしお・こういち)

経済ジャーナリスト。元ロイター通信の編集委員。「Forsight」「現代ビジネス」「J-CAST」「週刊金曜日」ほかで執筆中。

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Twitter:@tohrusuzuki

最終更新:2020/12/23 19:00

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