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年末特別コラム【六代目山口組vs神戸山口組 2020】

なぜ、六代目山口組は神戸山口組を圧倒したのか? あまりに強固だったヤクザの秩序と盃の重み

文=沖田臥竜(おきた・がりょう)

2つの大きな誤算

 仮に神戸山口組に誤算があったとすれば、大きくは2つあったのではないだろうか。

 ひとつは、分裂当初からいわれていたが、拳銃を使うような過激な抗争は起きない、つまり六代目山口組による武力行使は限定的なものと考えていたところだ。1発でも銃声が上がれば、警察当局はさらにヤクザに対する法を厳罰化させ、それはヤクザの存続そのものに影響を及ぼしかねないと見られていた。しかし結果は、両組織とも、特定抗争指定暴力団に指定されるまでの、血で血を洗う抗争が勃発し、複数の死傷者を出している。しかも、六代目山口組の攻撃は、マシンガンを用いて、相手幹部を射殺するほど壮絶なものだった。それに対して、神戸山口組は報復ではなく、組織防衛に回ることを余儀なくされてしまった。

 もうひとつは、内部からの離脱。神戸山口組の中核である山健組は、五代目山口組時代に「山健にあらずんば山口にあらず」とまでいわれ、山口組の最大組織として一世を風靡させた組織だ。四代目組長として同組織を率いていたのが、神戸山口組・井上邦雄組長であった。だが山健組が五代目体制になるや、神戸山口組を離脱するとは誰が想像できたか。この2つの想定外の出来事が、神戸山口組を衰退させていったのではないだろうか。

 ただ、まだ神戸山口組は存在しており、分裂問題は解消されたわけではない。今後どのような形で終結を迎えるのかは、流動的といえるだろう。なぜならば、ヤクザを取り巻く環境は常に変わり続けているからだ。

 他団体からも、分裂問題の長期化を危惧する声は上がってきており、ヤクザ社会の世論は、山口組の分裂問題の解消を望んでいるし、そうした空気は当事者たちも感じているはずだ。そうした中では、ヤクザという形態の原点となる「盃」の存在がさらにクローズアップされることになり、最終的にはそこが分裂問題解決のカギとなるのではないか。

「筋を違えた人間らが、筋を述べるのは誰が考えてもおかしいだろう」

 取材を進めていく中である時、六代目山口組系某幹部が呟いた言葉が思い出されたのであった。

沖田臥竜(おきた・がりょう)

沖田臥竜(おきた・がりょう)

社会事件から政治、芸能、そして裏社会まで幅広いフィールドを題材として執筆する作家。映像作品の企画、原作、監修なども務める。著書に『生野が生んだスーパースター 文政』『2年目の再分裂 「任侠団体山口組」の野望』(共にサイゾー)など。最新作に、『相剋 山口組分裂・激動の365日』(同)がある。

最終更新:2020/12/29 10:51
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