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ロバート秋山はもはや“芸人枠”ではない?『俺の家の話』クリエイターズファイルで鍛えた演技力が開花

『俺の家の話』公式サイトより

 宮藤官九郎が手がける金曜ドラマ『俺の家の話』(TBS系)。キャスト陣には主演のTOKIO・長瀬智也をはじめ、西田敏行、戸田恵梨香、桐谷健太といった豪華実力派俳優たちが勢ぞろいしている。そんな中、奇抜なキャラクターと確かな演技力で視聴者を沸かせているのがロバート・秋山竜次だ。

 秋山が演じるのは、観山家の長女・舞(江口のりこ)の旦那でありラッパーでラーメン屋経営者のO・S・D。この説明だけでもカオスさが伝わってくるが、見た目もキャラも肩書きに負けずインパクト抜群。ど派手なジャケットと“O★S★D”の刺繡が入ったキャップを身にまとい、「はじめまして。自分、オーエスディーです」と真面目に自己紹介するのだから、寿一(長瀬)も言葉を失っていた。

 一見ぶっ飛んだキャラクターだが、いやにリアリティがあり、どこか親戚にいそうな空気感がO・S・Dという役の魅力だ。介護が必要になった寿三郎(西田敏行)に「なんでも任せて!」といったスタンスで陽気に振る舞うも、実際に介護当番を頼まれると、さほど重要ではなさそうな用事でしれっと断る。こういったO・S・Dの調子の良さに、既視感を覚えた視聴者も多いのではないだろうか。

 この絶妙な役を、実力派揃いのそうそうたるメンバーの中に溶け込んで、自然にこなしている秋山。それも、“芸人枠”ではなく、個性派俳優のように見えるのだから彼はすごい。普段からコント等で演じることに慣れている芸人は演技がうまいことで有名だが、秋山の馴染みようはそのレベルを逸脱しているように感じる。

 それもそのはず、ご存知の通り、秋山は2015年から「ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル」という企画で、様々な職種の人間に扮する憑依芸を行っている。憑依対象は多岐にわたり、ビジネスマンから子役まで老若男女幅広く演じてきた。最近では犬を演じることもあった。これだけ多くのジャンルを演じてきた秋山にとっては、ラッパー役なんてものはお手のものだったのかもしれない。日頃から鍛えてきた観察力と演技力が見事に開花したといえるだろう。

 ドラマに芸人が出演していると、「芸人が演技をしている」と無意識に感じてしまうが、秋山の場合そういった違和感がないという声が多く上がっている。『俺の家の話』で爪痕を残し、“芸人枠”を飛び出した活躍を見せてくれることに期待したい。

■番組情報
金曜ドラマ『俺の家の話』
TBS系/毎週金曜日22時~
出演:長瀬智也、戸田恵梨香、永山絢斗、江口のりこ、桐谷健太、西田敏行、井之脇海、道枝駿佑(なにわ男子/関西ジャニーズJr.)、羽村 仁成(ジャニーズJr.)ほか
脚本:宮藤官九郎
演出:金子文紀、山室大輔、福田亮介
チーフプロデューサー:磯山晶
プロデューサー:勝野逸未、佐藤敦司
音楽:河野伸
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/oreie_tbs/

早乙女りこ(ライター)

東京生まれ神奈川育ちのフリーライター。映画・ドラマはジャンル問わず幅広く鑑賞しており、物語の展開を予想したり、役者の演技を複数作品で見比べたりすることが趣味。

さおとめりこ

最終更新:2021/02/05 20:30
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