日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 人間を「クスリの製造工場」に
NewsPicks後藤直義の「GHOST IN THE TECH」

人間を「クスリの製造工場」に変えてしまう、未来のバイオベンチャーの実力

文=後藤直義

──あまりにも速すぎるデジタルテクノロジーの進化に、社会や法律、倫理が追いつかない現代。世界でさまざまなテクノロジーが生み出され、デジタルトランスフォーメーションが進行している。果たしてそこは、ハイテクの楽園か、それともディストピアなのか……。(「月刊サイゾー」2020年6月号より一部転載)

人間を「クスリの製造工場」に変えてしまう、未来のバイオベンチャーの実力の画像1
画像はイメージ

 アメリカでもっともお金を持っている大学教授の1人が、新型コロナによって、意図せずにさらに金持ちになっている。そんなニュースが話題になっているのを、ご存じだろうか。

 その人物とは、ティモシー・スプリンガー。ハーバード大学のメディカルスクール(医学部)で内科の教授をつとめている、72歳の専門家だ。かねてから「私には十二分の資産がある。これ以上のお金は、必要だと思わない」と語っており、その暮らしぶりは豪奢ではないという。ジーパン姿で自転車にのって、大学まで通うという日常を続けている。

 趣味は、中国の奇石「スカラーズ・ロック」のコレクションだが、これも研究者としての好奇心が原動力になっているようだ。家庭菜園で、野菜や果物を育てることも楽しみらしい。不動産を買い漁ったり、ヨットを乗り回して遊んだり、高級ブランドに身を包んでいるような人物ではない、ということだ。

 もともとは生粋の学者だったスプリンガー氏が、大きな財産を手にしたのは1999年のこと。出資をしていた製薬会社が成功して、ミレニアム・ファーマシューティカルズ(武田薬品が2008年に買収)に買収された。

 これによって約1億ドル(約110億円)の資産を手にしたスプリンガー氏は、みずからが興味をもっている医療やサイエンス分野で、さまざまなベンチャー企業を支援するようになった。そのうちのひとつが、モデルナという会社だ。そしてこのモデルナこそ、いま世界でもっとも注目されているバイオベンチャー企業になっている。

 いま世界中が血眼になっているのが、新型コロナウイルスを予防することができるワクチンの開発だが、モデルナはその最有力候補として期待されているからだ。いまだに販売している商品はゼロにもかかわらず、その期待値から株価がどんどん上昇。時価総額にして、1.7兆円の企業に化けてしまった。

 そしてスプリンガーが投資した5億円は、すでに900億円近い価値をもっていると報じられている。投資リターンは約170倍。バイオテクノロジーの世界の、万馬券を引き当ててしまったというところだろう。

123

人間を「クスリの製造工場」に変えてしまう、未来のバイオベンチャーの実力のページです。日刊サイゾー芸能最新情報のほか、ジャニーズ/AKB48/アイドル/タレント/お笑い芸人のゴシップや芸能界の裏話・噂をお届けします。その他スポーツニュース、サブカルチャーネタ、連載コラムドラマレビューインタビュー中韓など社会系の話題も充実。芸能人のニュースまとめなら日刊サイゾーへ!

ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ

アイドル・お笑い・ドラマ…ディープなエンタメニュースなら日刊サイゾー

  • facebook
  • twitter
  • feed
イチオシ企画

庄村聡泰(ex-[Alexandros])が乃木坂46から迷作映画まで斬る!

庄村聡泰(ex-[Alexandros])が、乃木坂46から迷作映画までさまざまなカルチャーを語る不定期連載
写真
特集

『旅サラダ』KAT-TUN・中丸を見守りたい

『朝だ!生です旅サラダ』の「発掘!ニッポン なかまる印」リポーター・中丸雄一の奮闘記
写真
人気連載

大混乱のアメリカが「進むべきとき」

 アメリカの連邦最高裁判所が24日、女性の人...…
写真
インタビュー

香取慎吾とのコラボ秘話

 今年1月9日放送の『関ジャム 完全燃SH...…
写真