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将棋界の2大スター・羽生善治と藤井聡太 関係者が恐れる“世代交代の波”

文=石井洋男(いしい・ひろお)

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藤井聡太

 将棋界は世の中と同様に3月が年度末。今年もニュースター・藤井聡太二冠の勢いは止まらず、誰もが恐れる“世代交代”が現実味を帯びてきた。

 史上最年少でプロ入りし、破竹の勢いで快進撃を続ける藤井二冠。これまでも最多連勝記録、最年少タイトル獲得など、将棋の歴史を次々と塗り替えてきたが、3月10日に行われた順位戦B級2組の最終戦で、またしても偉業を成し遂げた。

「藤井二冠が最終局に勝って今季10勝0敗で終え、順位戦は通算21連勝になりました。順位戦はA、B1、B2、C1、C2の計5クラスがあり、クラスによって対局料が変わるため、棋士が最も力が入る棋戦。その順位戦で21連勝、通算で39勝1敗という成績は完全に“異次元”です。同時に今年度の成績も勝率8割以上が確定し、“4年連続8割以上”も史上初。成長のスピードは衰えるどころか、ますます加速している感さえあります」(将棋ライター)

 先ごろ、高校中退を発表した藤井二冠は、まだ18才。将棋界には、史上初の“七タイトル独占”を成し遂げた羽生善治九段というスーパースターがいるが、50才の羽生九段とは32もの年齢差がある。将棋ファンならずとも気になる新旧のスーパースター対決だが、ここに来て厄介な問題が生じてきた。

「気になるのは羽生九段の不調です。羽生九段は28年連続でA級の座を守ってきましたが、ここ2年は連続で負け越しており、近年は勝率も急降下。このままでは、藤井二冠がA級に上がるタイミングで、羽生九段が陥落する可能性も十分ありえます」(将棋ライター)

 せっかく藤井九段が“頂上リーグ”に到達したのに、“入れ違い”で羽生九段がこぼれ落ちてしまう心配が出てきたということ。羽生vs藤井対決はすでに他の棋戦で実現しているが、できれば最上位リーグで戦う姿が見たい。気を揉んでいるのは将棋ファンだけではない。

「新聞界では囲碁・将棋はとても大切なコンテンツで、読者の5%~10%は囲碁・将棋ファンが握っているというのが定説です。ただ、ネットの普及で新聞はジリ貧で、部数減は顕著。そんななか、順位戦を主催する朝日新聞と毎日新聞が待ち望んでいるのが、羽生vs藤井の順位戦対局ですが、羽生九段がA級から陥落して“藤井一強”時代がやって来てしまうと、いよいよ将棋ファンも離れていってしまうのではと懸念されています」(新聞販売関係者)

 できればしばらくは、「羽生」と「藤井」の二枚看板で将棋界を盛り上げて欲しいというのが関係者の総意だが、その思いが通じるかどうかは、盤上の駒の動きを読むより難しそうだ。

石井洋男(いしい・ひろお)

石井洋男(いしい・ひろお)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

最終更新:2021/03/12 07:00
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