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中野坂上にも“夢と魔法の王国”があった! 豚レバーとピリ辛餡が刺激的な「ミッキー」のかた焼きそば

文=MARUOSA(マルオサ)

中野坂上にも夢と魔法の王国があった! 豚レバーとピリ辛餡が刺激的な「ミッキー」のかた焼きそばの画像1
以下、写真/小嶋真理

 シュプリームのコレクションに楽曲を提供し、海外の有名音楽フェスに出演するなど、国内外で評価されてきた“エクストリーム・ミュージシャン”のMARUOSA。他方で“かた焼きそば研究家”としての顔も持ち、近年は『新・日本男児と中居』(日本テレビ)や『たけしのニッポンのミカタ!』(テレビ東京系)といった地上波のテレビ番組にしばしば登場して注目を集めている。そんな彼が、驚愕の絶品・珍品に光を当てながら、かた焼きそばの奥深き哲学に迫る!

 親知らずを抜いた。

 1週間も経てば、いつも通り咀嚼できるだろうと高を括って挑んだのが大きな誤算だった。腫れは幾分か引いたものの、まだ抜歯側で固形物を噛むのはおっかないし、試してもいない。朝食にバゲットを食べていたのが、もはや懐かしい。 最大の難点は口が大きく開かないこと。指2本分が関の山だ。大きな爆弾を頬張ったまま東京メトロ丸の内線に乗り、中野坂上へ向かう。

 「中華料理店らしからぬ珍妙な屋号」の噂は以前から何度か耳にはしていた。ただ、なかなか訪問する機会に恵まれず今日に至るのだが、果たしてこんな入り組んだ住宅街の中に存在するのか?というくらい閑静な街並みを歩いていくと、突如現れるザ・町中華の店構え。7桁の電話番号が誇らしい。

中野坂上にも夢と魔法の王国があった! 豚レバーとピリ辛餡が刺激的な「ミッキー」のかた焼きそばの画像2
お目当ての店に到着。中華っぽくない店名だが……。

 その名も「ミッキー飯店」。浦安、もとい中野区を代表する昭和44年(1969年)創業のワンダーランドだ。

 緊急事態宣言中にもかかわらず、客足が途絶える様子はない。夫婦と息子で切り盛りしているのだろうか、息の合ったトライアングルでオーダーを流れるようにさばく姿は、今はなき六本木のイベントスペース〈SuperDeluxe〉で観たd.v.dのライブを彷彿とさせる。

 途中、遠方からわざわざ車に乗ってやってきた強面の方々もいたが、非常にマナー良くされていて、ご馳走の前では人類みな平等なのだと再認識。今日もこうして食事できることに感謝しつつ、「ミッキーかたやきそば」と注文を伝える。

「ミッキー」という冠がつく理由とは?

中野坂上にも夢と魔法の王国があった! 豚レバーとピリ辛餡が刺激的な「ミッキー」のかた焼きそばの画像3
「ミッキーかたやきそば」750円(税込)。豚レバーが入っている。

 ボリュームは想定内であったが、ビジュアルが従来のかた焼きそばにはない、なかなかのハードコアテイスト。この攻撃的な色合いからは、町中華には珍しくメニューに火鍋があるのもうなずける。 具材はニラ、ニンジン、キャベツ、豚バラ、豚レバー、シイタケ、タケノコ。それらがラー油と唐辛子を含んだとろみ弱めのピリ辛餡と絡み合い、細めの揚げ麺にドロリ。飾らない無骨さと共に刺激的な匂いが鼻腔をくすぐる。

 特筆すべき点はまず、白菜ではなくキャベツが入っていること。リーズナブルな日式中華料理店で比較的よく見られる傾向である。

 そして、やはり豚レバーとピリ辛餡がミッキーのミッキーたるゆえんである。ちなみに、ミッキーの冠がついた料理はかた焼きそば以外にも「ミッキーメン」と「ミッキーライス」が存在する。 本来なら無我夢中でがっつきたいのだが、相変わらずアイツが口内に居座っているので、爆発物処理班のごとく細心の注意を払いながら咀嚼を繰り返す。辛さと緊張で発汗異常、思わずお水をお代わりすると、奥様が「量が多いから大変でしょう?」と気にかけてくれるホスピタリティの隠し味追加。

 汗は引き続き滴り落ちてはいるが、むしろ心地良ささえ感じる脳内ではCopprutedが響いて離れない。

 帰り際、気になっていた屋号について息子さんに尋ねてみた。

中野坂上にも夢と魔法の王国があった! 豚レバーとピリ辛餡が刺激的な「ミッキー」のかた焼きそばの画像4
店内にも(油が染み込んだ)屋号が掲げられている。

 本来、「ミッキー飯店」は「盈喜(みつき)飯店」だという。「舟の帆が喜びを孕む」という意味でそう名付けられたが、見ての通り難読だということで、創業当時、名前に「キ」が入る企業(キリンビール、キッコーマン、日本汽船)の業績が良かったことにあやかりつつ、親しみやすさをプラスして現在の屋号になったと笑顔で答えてくれた。

中野坂上にも夢と魔法の王国があった! 豚レバーとピリ辛餡が刺激的な「ミッキー」のかた焼きそばの画像5
店名のルーツを教えてくれた息子さんは笑顔が素敵。

 某ランド由来ではなかったが、町中華を愛する人たちにとってはかけがえのない夢と魔法の王国だ。

〈INFO〉
・ミッキー飯店
住所:東京都中野区本町2-17-4電話番号:047-387-3280ホームページ:http://www.sobafuku.jp/営業時間:11:30~14:15(L.O.13:45)、17:00~21:00(L.O.20:30)
定休日:日曜・祝日
※緊急事態宣言中は昼のみ営業

中野坂上にも夢と魔法の王国があった! 豚レバーとピリ辛餡が刺激的な「ミッキー」のかた焼きそばの画像6●プロフィール
MARUOSA(マルオサ)
1980年、大阪生まれ、東京在住。エクストリーム・ミュージシャンとして、これまでに20カ国以上でライブを行い、世界3大メディア・アート・フェスのひとつ「ソナー」(スペイン)、約28万人も訪れる欧州最大級の「ロスキレ・フェススティバル」(デンマーク)、世界最大の音楽見本市「SXSW」(アメリカ)などに出演。かた焼きそば研究家としてテレビ・ラジオ出演やコラム執筆といった活動も行う。
Twitter:@maruosa Instagram:maruosa
maruosa.com

MARUOSA(マルオサ)

MARUOSA(マルオサ)

1980年、大阪生まれ、東京在住。エクストリーム・ミュージシャンとして、これまでに20カ国以上でライブを行い、世界3大メディア・アート・フェスのひとつ「ソナー」(スペイン)、約28万人も訪れる欧州最大級の「ロスキレ・フェススティバル」(デンマーク)、世界最大の音楽見本市「SXSW」(アメリカ)などに出演。かた焼きそば研究家としてテレビ・ラジオ出演やコラム執筆といった活動も行う。

Twitter:@maruosa

【maruosa.com】

最終更新:2021/03/14 11:00

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