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中国の銀行でトラブル頻発! 口座から預金消失に続き、ローン契約の改竄まで

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口座にわずかに残った2毛の預金

 銀行業界の苦境が続く日本。新型コロナウイルスによる経済への悪影響が更に拍車をかけている。こうした中、三菱UFJ銀行は今年7月から、2年以上取引のない休眠口座から年間で1320円の手数料を取る方針を発表した。さらにメガバンク各社は紙の通帳を発行する場合、手数料がかかる仕組みを導入することを発表している。海外では珍しくない休眠口座への課金だが、中国の銀行ではあまりに横暴な口座管理が行われ、全ての預金を失った女性について報じられている。

 中国網易新聞(1月22日付け)は、河南省安陽市に暮らす女性が12年前に銀行に預けた預金を引き出そうとしたところ、口座からほぼ全額が消えていたことを報じてる。

 記事によると安陽市に暮らす女性は今年1月、自身が12年前に預けていた預金700元(約1万1200円)を引き出すため地元の中国工商銀行へ向かったという。その後、銀行で口座残高を確認したところ、口座の中にはわずか2毛(約3円)の残高しかなかったというのだ。女性は銀行窓口で行員に説明を求めたところ行員からは、「休眠口座として取り扱われていたため、諸費用が引かれていた」と説明されたという。

 女性は2009年に700元を預金し、その後12年間口座を利用していなかったため、銀行は休眠口座として毎年預金から管理費名目で引き落としを行なっていたのだ。女性は、あと数年口座の使用がなかった場合、口座が自動的に解約される可能性があったことも伝えられたという。今回の事件を受け、中国工商銀行は声明を発表し、女性の口座は養老保険の引落口座となっていたため預金が減った可能性があると、行員の説明とは異なる見解を示し、ネット上では同行への不信感が高まっている。

 中国大手銀行に関する事件は他にも発生している。今月、中国南京市では、住宅ローンの契約を結んでいた顧客との契約書を、銀行側が改竄していた疑惑が持ち上がっている。記事によると、市内に住む男性は2014年、民生銀行と117万元(約2000万円)の住宅ローン契約を結んだ。

 支払い方法を“元利均等返済”とし、毎月の元金利息を定額で支払う契約だった。しかし7年後となった今年1月、男性がローンの残高を確認したところ、一度も引落が行われていなかったことが判明したのだ。その後、男性が調べたところ、契約内容が改竄され、支払い方法が“元金均等返済”となっており、返済すべき利息も膨れ上がっていたという。現在同行では社内調査が行われている。

 銀行を巡る事件といえば、日本では3年前に発覚したスルガ銀行不正融資事件が記憶に新しい。世界的に銀行に対する信頼が失われる昨今、自身の口座の管理は今後さらに慎重さが求められるだろう。

廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)

明治大学卒業後、中国の重慶大学へ留学。メディア論を学び、帰国後は中国の社会問題についてウェブメディアを中心に執筆している。

ひろせだいすけ

最終更新:2021/03/14 09:00
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