『伊集院光とらじおと』で起きた奇跡…生き別れた母子が運命の再会

2021/03/25 19:00

文＝みやーんzz（ラジオ書き起こしサイト運営者）

伊集院光 伊集院光とらじおと

『伊集院光とらじおと』で起きた奇跡…生き別れた母子がラジオ企画で運命の再開の画像1 — TBSラジオ『伊集院光とらじおと』公式サイトより

　こんにちは。ラジオ書き起こし職人のみやーんZZです。いつも聞きまくっているラジオの中から興味深かったエピソードを紹介する連載の第8回目。

　今回はTBSラジオ『伊集院光とらじおと』の2021年3月11日、3月18日のエピソードをご紹介。

　3月11日の放送のメッセージテーマは「飲み物をこぼした話」。37歳男性の方から届いたメッセージはこんな感じでした。

「ヒュー・グラントとジュリア・ロバーツがぶつかり、飲み物がこぼれ服が汚れたところから恋が始まる映画『ノッティングヒルの恋人』が大好きで、そんな出会がしたいと長年、思っていました。

　去年の夏、コーヒーショップからコーヒーを持って出たところ、妙齢の女性とぶつかりました。コーヒーがこぼれ、自分のシャツには大きな染みが……。

　商談に向かう直前だったため、どこかで着替えのシャツを買おうと考えていたところ、そのぶつかった女性がたまたま持ち合わせていた新品のシャツを『これ、合いますかしら』と渡してくれたため、急いでそのシャツに着替え、代金を後日支払うために女性に名刺を渡し、急いで商談に向かいました。その後、女性からの連絡はなく、忘れてかけていた先週、メールが届きました。なんと、その女性は自分が幼少の頃に別れた母親だったのです。

　私には事情があり、父と母が離婚した際に『今後一切、会わない』という取り決めがあったため、小学2年生の時以来、母とは会っていませんでした。母は私が渡した名刺を見て、驚きと衝撃で連絡ができなかったそうです。しかし先週、母が『伊集院光とらじおと』のメッセージテーマ『飲み物をこぼした話』を聞いて、『これがきっかけだ』と連絡をしてくれました。今度、30年ぶりに母と会う約束をしました」

　このメッセージに伊集院光さんや柴田理恵さんは大いに驚いていたのですが、その翌週、今度はそのお母さんからもメッセージが届きます。

「30年前、『二度と息子とは会わない』という約束で離婚をしたものの、子供のことを1日も忘れたことはありませんでした。コーヒー店の前でぶつかった際に名刺をもらい、その相手が息子だとわかった時は驚きと嬉しさで全身の血が逆流するようでした。

　それから8カ月、連絡をすべきかずっと逡巡していましたが、いつも聞いている『らじおと』の『飲み物をこぼした話』を聞いて『息子に早く連絡をしなさい』と伊集院さんに背中を押されたように感じ、連絡をしたのです。息子からは『もしかしたら、お母さんなんじゃないか。お母さんだったらいいなってちょっと思った』と返事がありました。『らじおと』を聞いていて本当によかったと思いました。息子とは今度、30年ぶりに会う約束をしました」

　お母さんが『伊集院光とらじおと』のリスナーであり、たまたま「飲み物をこぼした話」というメッセージのテーマだったため、息子さんに連絡をすることを決意したということでしたが、実はこのメッセージテーマ自体、当初は予定されていなかったんだそうです。

　放送直前、アシスタントの喜入友浩アナウンサーが受験の際に背中にコーヒーをこぼされた話をしていて、「こういうちょっと簡単なテーマも試してみようか」とこのテーマに変更になったとのこと。急遽、テーマが差し替えになったおかげで、お母さんが息子さんに連絡を取る決心ができたわけで、これもすごい偶然です。

　伊集院光さんの「偶然ってすごいよ。だから俺らはパーツで。完全に持っているのはこのお二人ですよ」という言葉や、柴田理恵さんの「偶然がいっぱい重なって……7つぐらい重なったとか思っていましたけども。ちゃんとその根底にはお母さんの息子さんに対する思い。そして息子さんの『いつか、お母さんに会えたらな』っていう思いがあったっていうことでしょう？　すごいな、人間って」という言葉も非常に印象的でした。

　ラジオがつないだ母と子の縁。「ラジオを聞いていてよかったな」と素直に思えた心温まるエピソードでした。