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五輪組織委、文春に厳重抗議は「五輪推進派VS反対派」の代理戦争か

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橋本聖子

 東京五輪・パラリンピックがまたしても揺れている。「週刊文春」(文藝春秋)が報じた内容に五輪組織委員会が厳重抗議、並びに雑誌の発売中止、回収を要求したことで騒ぎが拡大しているのだ。

 五輪組織委員会側は、文春が開閉会式にまつわる280ページに及ぶ内部資料を独自取材で入手、その一部を公開したことに激怒した。以前、演出を手掛けていた振付師・MIKIKOが国際オリンピック委員会に対してプレゼンしたものだという。4月1日、組織委は「文春」に厳重抗議したことを公表。極めて限定された者しか入手、閲覧できない内部資料を公にさらされたことに「機密性の高い秘密情報。事前に公表された場合、企画の検討段階のものであったとしても開会式演出の価値は大きく毀損される」としており、組織委の業務妨害にあたると主張した。

 これに対し、発売元の文藝春秋も問題となっている侮辱演出や政治家が介入した不適切な運営がされており、これらが巨額の税金が投入されていることを問題視。「内情を報じることには高い公共性、公益性がある」と不当要求に応じない姿勢をみせている。

 五輪関係者は、「ここでも東京五輪における覇権争いが見て取れます。簡単に言えば五輪推進派、五輪反対派の2者で、文春側に状況提供した可能性が考えられるのは反対派なのは間違いないでしょう」という。

 これまでも五輪を巡って内部事情や不正を報道で暴かれたことはあるが、ここにきてなぜ組織委が“本気モード”でメディアに抗議しているのだろうか。

「新型コロナウイルス感染再拡大で、政府は宮城県、大阪府、兵庫県に『まん延防止措置』を適用するなど収まる気配は見られません。世論は『五輪中止』へと一気に傾いている。もはや国内を含めて観客を入れての五輪実施は困難を極めており、今後もこうした裏側を報じる週刊誌、スポーツ新聞が続出することが予想される。そのけん制の意味を込めての抗議でしょうね」(同)

 目の前に迫っている五輪テスト大会開催も暗礁に乗り上げている。国際水泳連盟は4、5月に飛び込み、アーティスティックススイミングなど五輪最終予選2競技について中止する意向を示している。

 組織委はテスト大会を兼ねたことを懸念しており、「何らかの形で行いたい」と継続的に協議を続けるという。また、水球男子日本代表「ポセイドンジャパン」の候補選手が参加する合宿で7人が新型コロナウイルスに感染したことが判明。6日からの代表合宿は中止となった。五輪組織委対メディアのバトルはまだまだ続きそうだ。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2021/04/06 19:00
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