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『チコちゃんに叱られる!』セブンイレブン「ステルス値上げ」の元祖? 徳川家斉のマル秘政策

文=寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

『チコちゃんに叱られる!』セブンイレブン「ステルス値上げ」の元祖? 徳川家斉のマル秘政策の画像1
『チコちゃんに叱られる!』(NHK)

 4月30日放送『チコちゃんに叱られる!』(NHK)のゲストは、黒柳徹子とディーン・フジオカ。黒柳がゲストということで、今日は徹子に合わせて回答者全員が椅子に座ったまま番組を進行するようだ。それにしても、徹子は今も故・ジャイアント馬場に教わったというヒンズースクワットを続けているのだろうか?

 そういえば、徹子はNHK専属テレビ女優の第1号である。今回は、チコちゃん VS トットちゃんというNHKを代表する2人の女性の対決だ。

徳川家斉は“江戸のセブンイレブン”か?

 この日2つ目のテーマは「なんでそばのせいろは上げ底なの?」という疑問。はて、水がしたたり落ちるから水切りの効果を狙っているのか、はたまた単純に箸で取りやすいから? チコちゃんが発表した正解は「将軍・徳川家斉がぜいたく三昧だったから」だった。

 せいろそばが上げ底になった由来を遡ると、江戸時代へと行き着く。そばが中国から日本に伝わったのは飛鳥時代(諸説あり)。そこから食べ方は色々と進化し、その都度、器は変わっていった。元々はそば粉を熱湯でこねたそばがきを器に盛り、つゆにつけて食べていたのだが、戦国時代には「そば切り」と言って我々がイメージする細く切った形のそばが食べられるようになる。そばは茹でて食べるのが一般的だが、当初は蒸して食べられていたそうだ。すると、そばをせいろに盛って蒸し、それを器としてそのままお客さんに出すお店が登場。これが、そばをせいろに盛るルーツである。この頃はまだ、底が上がっていないせいろが使われていた。

 せいろの底が上がったのは江戸時代、徳川家斉が将軍だった頃と言われている。1787年に13歳で将軍の座に就いた家斉。その若さもあり、実質的に政治を動かしたのは老中・松平定信だった。定信が着手したのは寛政の改革。前の老中・田沼意次の賄賂政治を改めるため財政の切り詰めを始め、幕府内でも厳しい倹約令が敷かれた。質素倹約は庶民にも求められ、その結果、様々な物の値段が下げられたのだ。

 ここで始まったのは、NHKたぶんこうだったんじゃないか時代劇「十一代目 暴れん坊将軍家斉 いえなりのいいなりでいいナリ!?」である。BGMは『暴れん坊将軍』(テレビ朝日系)のオープニングテーマそのまま! 同曲を作った作曲家で、先月24日に亡くなった菊池俊輔さん追悼の意味も込められているのだろうか。合掌。

 というわけで、時代劇が始まった。時は寛政、町人たちに混じりそばをすする男っぷりのいいこの男は、当時17歳の十一代将軍・徳川家斉。演じるのは目黒祐樹である。いや、目黒祐樹が17歳って……。

「やっと声変わりしました」(家斉)

店に貼られたそばの値段を見て、家斉はそば屋の店主に声をかけた。

家斉 「あれ、親父さん。そば14文って値下がりしたのかい?」
店主 「そうなんだよ。奉行所からのお触れでさあ。松平定信のせいで、質素倹約だか何だか知らねえけど、こっちはもうたまったもんじゃねえよ。全く将軍様は何考えているんだか!」

 寛政の改革でそばは16文から14文への値下げが義務付けられ、当時のそば屋は苦肉の策として1人前のそばの量を減らして対応した。お金を回して経済を活性化すればいいのでは? とも思うが、事はそう簡単にいかないのだろう。

 歳を重ねるにつれ定信の質素倹約ぶりに反発するようになった家斉は、後に定信を老中の座から追放! 定信から解放された家斉は江戸城で贅沢三昧の生活を送るようになる。側室を40人以上置き、子どもの数は55人を数えるほどのやりたい放題だ。家斉ってとんでもないヤリチンだな……。

 結果、贅を尽くした生活費や子どもたちの養育費は莫大になり、幕府の財政は悪化の一途をたどる。時の老中・水野忠成らは幕府の財政立て直しのため、貨幣を大量発行した。すると、市場に貨幣が溢れて急激なインフレに。つまり、お金の価値が下がって物の値段は急激に高くなり、人々の生活が圧迫されたのだ。さらに、飢饉などが追い打ちをかけ、生活苦からの百姓一揆や打ちこわしが激発。1837年には大塩平八郎の乱も起きた。バカ殿の時代に生まれると庶民が大変だな……。

 この事態に、63歳になった家斉は決断する。役の年齢がようやく目黒祐樹に追いつきつつある。

「そうか、物価が上がって民が苦しんでおると。値下げじゃ~!」(家斉)

 しかし、庶民は家斉の政策にまたしても不満を漏らした。

「はあ~、なんだこりゃ。そば16文が15文だと! なんてことしてくれたんだー」(そば屋の店主)

 物価が上がっているというのに、そばは15文に下げられてしまった。苦しいそば屋たちは、たまらず幕府に値上げ要請を行った。しかし、この願いは通らなった模様……。その後、家斉がお忍びでそば屋を訪ねると、注文したそばの量が少ないことに気付いた。

家斉 「親父! これはちょっと……」
店主 「だろう! 少ねえよなあ? ケチ臭いと思ってんだろ? 俺だってケチ臭いと思ってるよ。だけど、多くできねえんだよ。あ~、もうしまいだしまいだ」

 ヤケになった店主はそばのせいろを横に振った。すると、それを見た家斉があることを閃く。そして家斉はせいろをひっくり返し、上げ底になった状態でそば を盛ったのだ。

店主 「こいつは豪勢に見えるな~!」
家斉 「裏返っても器は器だあ!」

 なんとか安い値段でそばを売ろうと職人たちが知恵を絞った結果、「せいろをひっくり返して底上げを思いついた」が定説として今に伝わっているのだ。これは面白い。というのも、令和でも既視感がある対策法だからだ。量を減らしながら、もう一方で値上げするという手法。言ってしまえば、セブンイレブンが得意とするやり方だ。お弁当、パン、ポテトチップス……中でも特に衝撃だったのは186円の「いなり寿司3個入り」を2個入りの「やわらかジューシーいなり」にリニューアルし、しかもなぜか205円に値上げして2019年に販売し直した不可解な“英断”である。家斉の精神はセブンイレブンへ受け継がれていたということ!? “元祖セブンイレブン”である“江戸のセブンイレブン”の物語を見ている感覚になってしまった。家斉はセブンイレブンのご先祖様! 歴史は繰り返すというか、200年経っても手法が全く変わっていないところが面白い。

 この時代劇は、以下のやり取りで締めくくられた。

家斉 「そばの値上げの件はどうなった?」
家臣 「そば屋たちが『値上げしろ』とは言わなくなりました。しかし、せいろを底上げして客の目を欺くという悪どい話でございます。近々、取り締まってやろうかと」
家斉 「ハハハハハハッ、(そば屋を)許す!」
家臣 「ははっ!」

 いい話風に締めているけど、何の問題の解決にもなってないじゃない! それどころか、家斉のバカ殿っぷりしか印象に残ってない。というか、当時と現代は状況が酷似している。そろそろ、一揆や大塩平八郎の乱が起こるということだろうか?

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