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松本人志がネットの視聴率記事に激怒!『水ダウ』“視聴率そこそこ”でも強いワケ─コア視聴率とは一体何か?

文=月刊サイゾー編集部

テレビ朝日は出遅れたのか?

 個人視聴率で細かな世代や性別のデータが取れるようになったことで、これまで年配の視聴者にしか見られていなかった番組が浮き彫りとなった。そして今、テレビ離れが進んでいるといわれる若い世代の数字にも、目が向けられている。彼らは「お金を使わないのではないか」という風に見られているフシもあるが、若い世代に商品を売りたいスポンサーからはより、視聴率の細かいデータまで厳しく審査されるようになる。そして、そもそもの数字が著しく低いこの世代の視聴率を上げずにテレビ業界に未来はないと、各局が戦略を練り始めたところだ。

「もちろん若い世代といっても、求められているのは幅広い年代です。日テレは13~49歳を“コアターゲット”と呼んでます。特に個人を重視して、その上でコアターゲットも狙っていくというスタイルです。テレ朝は13歳~59歳をFコアと呼んで重視してますね。TBSは個人よりも、13歳~59歳をファミリーコアと呼んでいる。各局、多少の違いはありますが、マーケティングが変わったことは間違いないです。世帯視聴率を取っているだけではだめで、いかに有効視聴者を獲得できているかが大事です。実はテレビ朝日はその取り組みが遅くて、いまだに『うちは世帯視聴率がいいから』と言っていたので、去年まで他局から白い目で見られてましたね」(キー局プロデューサー)

 実はテレビ朝日は他の局が個人視聴率に舵を切る中、19年まで世帯重視主義を貫いていた。実際ネットニュースで、同時間帯の視聴率で王者だった『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系列)に『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系列)が勝った、という記事をよく目にしたのだが、一昨年までは当のテレビ朝日も日本テレビの日曜日の牙城を崩したと嬉々していたわけだ。

 実際にはそれほど喜ばしい状況ではないことに気がついたのは、個人視聴率に視点を変えてからだろう。例えば9月最終週の両番組の平均世帯視聴率を見ても、「イッテQ」が13・5%なのに対して、「ポツンと一軒家」は16・8%と水をあけているようにも見えるが、個人視聴率で見ると、「イッテQ」が9・2%で、「ポツンと一軒家」が9・3%で、わずか0・1%の差しかない(ビデオリサーチ調べ)。しかも、同番組の制作は系列局の朝日放送テレビであり、自局のオリジナル番組で勝負できているわけでもない。

 さらにテレビ朝日は配信サービスでも大きな遅れを取っているという。

「テレビ朝日はとにかくあらゆる対応が遅い会社ですね。最近は『TVer』のような配信サービスも増えましたし、日本テレビなら『Hulu』、TBSとテレ東は『Paravi』、フジテレビは『FOD』など、配信で稼ぐ仕組みを作ろうと躍起になってます。そんな中、系列のAbemaがいまいちうまくいっていないテレビ朝日が、『TELASA』という配信サービスをやっと作ったのが20年4月です。ネットフリックスなどのVODサービスや、各種サブスクが溢れている中、新たに月額料金を払うユーザーは少ないですよね。加入者が増えず、オリジナル番組もほとんど作れていない状況です。他局と違って不動産業など、放送以外に収入源がないのも苦しいところです」(放送作家)

 世帯視聴率は、テレビをよく見る世代の人数を奪い合う、という側面もあった。少ないパイを争っても、共倒れは目に見えている。テレビになじみのない人も多い若い世代に目を向けるということは、他局以外のライバルたちをはっきりと認識することでもある。飽和するメディアやコンテンツの中で、いかにテレビ番組に振り向かせるか。これまで高視聴率を取るために高齢者に向けた番組が生まれていったのと同じように、若者にも見られる番組へと内容も変化していかなければならないのだ。
(月刊サイゾー編集部)

※「月刊サイゾー」11月号より転載。関連記事は「サイゾーpremium」でお読みいただけます。

※本記事は2020/12/31 16:00にアップしたものを、再掲載いたしました。

最終更新:2021/06/16 16:00
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