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小川彩佳アナ離婚批判報道に垣間見られる「わきまえない女が許せない人」たちの存在

真っ当な憂いを叫ぶことでしかネット社会は変えられない

 謙遜が美徳、沈黙が金とされる時代は平成で終わった、と言いたい。悪意を孕んだ言葉がインターネット回線を通じて簡単に鳴り響くようになってしまった今、それを正義としていたら、本来平和に絶対不可欠である優しさなんてものは掻き消されてしまうのだから。

 声は、世論を形成する。もし、今の世を憂うのであれば、その憂いを声高に叫ばなければならない。そうしなければ、人を殺すネット社会はずっと私たちの生活のすぐ傍に在り続ける。いつ殺されるかと戦々恐々とした日々を送るか、分をわきまえて大人しく過ごすか、そのどちらかの選択を余儀なくされる。

 たかがいちアナウンサーの不倫報道の反論に関して、大げさな意見だと言われるかもしれない。けれど、私たちはもう、たったひと言の悪意で命が潰えた事例をいくつも見てきた。そして間違いなく、肉体だけが生き永らえて心が死んでしまった人は、数えきれないぐらいいるだろう。

 そうした社会で、小川彩佳さんがこのように女性として、ひとりの人間として、はっきりと怒りを表明したことは、とてもすばらしいと思う。そして、泣き寝入りを選ばざるを得なかった女性が、彼女に追随してほしいと。

 女が声を上げることがわがままだと非難する人もいる。けれど、そもそも今の強い女を許さない世界がわがままの成れの果てでしかない。それならば、心身ともに今の世を生き抜くために、わがままを声高に叫んだって構わないじゃないか。私は、そう思う。

松田優(小説家・ライター)

小説家・ライター。2019年に『ドミノ倒れ』『かぼちゃの馬車のクレームブリュレ』(ともにIAP出版)を同時刊行。ライターチーム『WritingWrite』のリーダー兼ディレクターとしても活動。日本ペンクラブN会員、言論表現委員。

まつだゆう

最終更新:2021/06/22 21:25
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