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侍ジャパン、東京五輪金メダルなら1人1000万円ボーナスに少なくない逆風―やっぱり野球は国民的スポーツか

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侍ジャパン 公式サイトより

 7月23日に開会式を迎える東京五輪の野球日本代表チームが金メダルを獲得すると、1人当たりおよそ1000万円の報奨金が支給されることがわかった。コロナ禍が続き五輪への風当たりも強い中で、この景気のいい話が賛否を呼んでいる。

 日本オリンピック委員会(JOC)の規定では金メダルで500万円、銀メダルで200万円、銅メダルで100万円の報奨金が支払われることとなっている。これにプラスされる形で野球選手だけはボーナスが出ることになった格好だ。金額はJOCの支給額と同じ額が予定されており、野球日本代表を運営するNPBエンタープライズが準備。出場にあたっての手当も支給される。

 2008年の北京五輪以降、野球はソフトボールとともに競技から外れ今回3大会ぶりの復帰となった。

 プロ野球OBは「2024年に予定されているパリ五輪では再び競技から除外されており五輪で野球が行われるのは今回限りとの可能性もある。周りの期待が高いのは結構な話」というのだが、よくよく冷静になって考えてみると今回、五輪の野球競技に参加するのはアメリカ、韓国、ドミニカ共和国などわずか6カ国。うち、3位以上に入ればメダル獲得となるのだから何とも微妙な雰囲気になるのは間違いないだろう。

「今回は台湾などいくつかの野球強豪国が新型コロナウイルス対策で予選に参加できなかったり、メンバーが編成できないとして辞退を表明しています。野球は世界的な大会でワールドベースボールクラシック(WBC)があり、そちらに力を入れる国も多い中で、手厚い報奨金の高さばかりが目立っては国民感情を逆なでしかねない」(同)

 別のプロ野球関係者も「野球だけ優遇されていると見られかねない」と困惑している。

「野球日本代表には複数の国内優良企業が公式スポンサーとして入っており、今回加算される報奨金もそこから支給されるのでしょう。大会期間中も、涼しい仙台で合宿を行い、大会が始まった後も感染が心配される東京・晴海の選手村には入らず横浜市内の超高級ホテルで宿泊します。言ってしまえばすべてにおいて超優遇されているのです。国内の文化イベントのほとんどがストップしている時期も、プロ野球は有観客を強行開催、興味のない一般市民から批判を浴びていました。今回も一歩間違えれば同じ過ちを犯しかねません」(同)

 平和の祭典でお祭り騒ぎさえ自粛が叫ばれる中で、野球だけが特権階級のように見えればたちまち炎上必至だ。

大山ユースケ(ライター)

1990年、千葉県生まれ。某大手メディアに勤務中の複業ライター。得意ジャンルはお笑いと酒。

おおやまゆーすけ

最終更新:2021/07/01 11:00
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