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“かた焼きそば名門校”出身の料理人による天衣無縫のあんかけと病みつき揚げ麺 

かた焼きそば名門校出身の料理人による天衣無縫のあんかけと病みつき揚げ麺 の画像1
(以下、写真/小嶋真理)

 シュプリームのコレクションに楽曲を提供し、海外の有名音楽フェスに出演するなど、国内外で評価されてきた“エクストリーム・ミュージシャン”のMARUOSA。他方で“かた焼きそば研究家”としての顔も持ち、近年は『マツコの知らない世界』(TBS)や『新・日本男児と中居』(日本テレビ)、『たけしのニッポンのミカタ!』(テレビ東京系)といった地上波のテレビ番組にしばしば登場して注目を集めている。そんな彼が、驚愕の絶品・珍品に光を当てながら、かた焼きそばの奥深き哲学に迫る!

「オススメのかた焼きそばの店を教えて欲しい」

 かた焼きそば研究家を名乗った以上、この質問からは逃れることはできない。

 現在までに数多くのかた焼きそばを食べ歩いてきたとはいえ、それらはほんの氷山の一角に過ぎない。この原稿を書いている今日もどこかで新種のかた焼きそばが誕生し、そして消えていく。ゴールのない果てなき旅路なのだ。だからこそ、面白く愛おしい。

 今回は、一番多く聞かれる質問、「東京都内のオススメかた焼きそばってどこ?」に真っ向勝負したいと思う。

 降り立ったのはJR五反田駅。以前は車窓から店舗がバッチリ見えていたはずなのだが、いつの間にか視界を遮るように巨大商業施設が鎮座ましましており、無味無臭の都市空間に変わり果てた姿に少し寂しさを覚える。

 それでも駅東口を出ると、記憶の中の五反田が出迎えてくれた。さぁ、目的地は目と鼻の先だ。

かた焼きそば名門校出身の料理人による天衣無縫のあんかけと病みつき揚げ麺 の画像2
歴史を感じさせる、力強く重厚な看板が目印。

 広東料理の名店、亜細亜。当初は大井町で営業していたが、軌道に乗らず一時閉店。しかし、同時期に友人が五反田で営んでいた「亜細亜」という喫茶店を閉めたいという話を聞き、譲渡する形で“店名ごと”受け継いだのが終戦直後の1947年(昭和22年) 。現在は2代目~4代目の3世代体制で暖簾を守っている。

 亜細亜といえば、やはり名物の「焼売」を推す中華通は多いだろう。もちろん、焼売もとんでもなく美味だが、かた焼きそばも侮るなかれ。個人的には都内、いや、全国トップレベルだと胸を張って断言できる。

 ちなみに、同じく全国トップレベルのかた焼きそばを提供する横浜・山手にある「奇珍」の3代目店主と「亜細亜」の2代目店主は、横浜・石川町にある「横浜山手中華学校」のご学友だそうだ。嗚呼、誉れ高きかた焼きそば名門校。

 店内は長細の3階建。言われてみると、確かに元喫茶店っぽい造りにも見える。また、両隣の建物がひしめき合うように接していることから、昔は長屋だったことがわかる。長い時を経て、今もなお五反田の玄関口を守り続けているのは亜細亜のみとなった。

 最後の砦、是非守り続けてほしい。

かた焼きそば名門校出身の料理人による天衣無縫のあんかけと病みつき揚げ麺 の画像3
もはや珍しくなくなったアクリル板。気兼ねなく談笑できる日はやってくるのだろうか。

 2階席は1階に比べて落ち着いた雰囲気。ちなみに、3階席は大人数の予約などのみ利用できる円卓VIP空間。いつか利用してみたいものである。

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