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堀米、西矢の「男女金メダル」で大注目のスケボー! 大ブーム到来を自治体も後押し?

堀米、西矢の「男女金メダル」で大注目のスケボー! 大ブーム到来を自治体も後押し?の画像1
TOKYO2020公式Twitter(@Tokyo2020jp)より

 地元開催の東京五輪で、新たな日本のお家芸が生まれた。25日に開催された「スケートボード男子ストリート」で、日本の堀米雄斗が金メダルを獲得すると、翌26日には「女子ストリート」で西矢椛が金メダルを獲得。男女で日本代表が金メダルを独占した。スケートボードは今大会から採用された新種目。日本人選手の活躍で一挙にブームが到来しそうな勢いだ。スポーツ用品店店員の男性はいう。

「スケボーは2万円もあれば始められますし、続けていくのもそんなにお金は掛からないので、とっつきやすいスポーツだと思います。小学校に入る前の子供でもできますし、子ども用の用具もあります。子どもたちの間では10年以上前から、足をクネクネと動かす『キャスターボード』が大ブームで、これがスケボーに似ているので、ハードルは低いかもしれません。中高生や大人は普段着のままスケボーをやっていますが、小さいお子さんはヘルメットはマスト。肘パットや膝パットも装着して下さい」(スポーツ用品店店員)

 金メダルを取った堀米は、高校卒業後の2017年に拠点をアメリカに移して世界最高峰のリーグで活躍。日本での知名度はこれまでほぼゼロだったが、アメリカでは大谷翔平レベルの有名人で、ロスアンゼルスに数億円の豪邸を持つセレブだという。大谷は日本人離れした193cmの長身とパワーの持ち主だが、堀米の身長は170cm。「それなら私でも」「ウチの子でも」と思いたくなるが、スケボー愛好家の男性は、五輪の興奮を抑えてこう語る。

「スケボーは一見、どこでもできそうですが、それは大間違いです。まず、コンクリか舗装道路でしか滑れないし、公園はスケボー禁止のところだらけ。私は高速道路の下の薄暗いスペースでやっています。オリンピック中継では分かりにくいですが、かなり音が出るので、住宅街でやるのはもってのほか。夜のオフィス街はある意味ベストですが、照明がないと出来ませんし、滑りたくなるような所はまず私有地です。正直、1度や2度は通報されたことがあるボーダーは珍しくないと思います。

 結局、深夜にたむろしたり、ゴミをポイ捨てしたりするマナーの悪いボーダーのせいで、OKだった所がどんどんNGになっちゃうんですよ。ただ、ボーダーは仲間意識が強いので、縄張り争いでモメるようなことは少ないですね。見知らぬ人と『普段どこで滑ってますか?』と、情報交換するのはしょっちゅうです」(スケボー愛好家)

 そうなると、スケートパークが近所になければ、メダリストへの道は遠そうだ。しかし時代は確実にスケボーに追い風。フリーのスポーツジャーナリストはいう。

「かつては球技、陸上競技、水泳、武道など、自治体の予算は学校の部活動にある種目が最優先でしたが、スケボーが五輪競技に採用されたことにより、公共のスケートパークが少しずつ増えています。今年春には、茨城県笠間市がムラサキスポーツと手を組み、国内最大級のスケートボード施設を造りました。スケートボードは1人でも出来る上、野球場やプールなどと比べれば遥かに安く設置できるので、小さな自治体でも造れる。堀米と西矢の金メダル獲得で、手を挙げる自治体は相次ぐと思います」(スポーツジャーナリスト)

 一定以上の年代には白い目で見られがちなスケボーだが、自転車レベルで誰もが乗れるようになる日も遠くないのかもしれない。

石井洋男(スポーツライター)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

いしいひろお

最終更新:2021/07/28 22:00
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